試合レポート

大阪偕星学園vs大冠

2015.07.29

大阪偕星学園が随所に強さを見せる 大冠を6回コールドで破り決勝進出!

 大阪桐蔭勝利した大阪偕星学園は、この日も速攻劇で、大冠を圧倒した。
 1回表、大阪偕星学園は1番姫野優也(3年)の敵失で二塁のチャンス。そして一死三塁から3番西岡大和(3年)の絶妙なスクイズで1点を先制する。さらに4番田端拓海(3年)の二塁打、5番岸頼大(2年)の四球から6番濱口の適時打でさらに1点を追加すると、7番光田悠哉(3年)の左前適時打でさらに2点を追加。

 速めに主導権を握って自分たちのペースにする。大阪偕星学園のスタイルが今日も発揮された。
 3回表から二死一、二塁から8番福田丈志(3年)の適時打と敵失でさらに2点を追加。
 4回以降、大冠のエース・吉田大喜からなかなか打ち崩せずにいたが、6回表、二死二塁から姫野が直球を捉え、レフトオーバーの適時二塁打で7対0とする。
姫野を実際に見るまで最速142キロを誇る本格派右腕として見ていたが、実際に姫野を見て、投手だけではなく、走攻守のスキルも非常に高い野球選手だ。2回戦の岸和田戦、大阪桐蔭戦での本塁打と豪快なものであった。やや両膝を曲げた構えからフルスイング。やや弧を大きく描いたスイング軌道でしっかりと芯で捉えれば飛ばせるスイング。常にフルスイングをしており、三振することを恐れていない。小さくまとまるより、思い切って突破口を切り開く、そんな意思が見える。こういうポジティブなメンタリティを買われて1番で起用しているのだろう。
 こんな選手が一番にいるのは相手チームにとって脅威だ。そして足も速く、何より外野守備からの強肩は一級品。今後、どちらを極めていくかは本人次第だが、どちらでも面白い選手といえるだろう。

 さらに戸嶋泰貴(3年)の適時打、田端の適時打、岸の適時打が飛び出し、11対0と大きくリードする。
 投げては光田が連投。連投を感じさせないキレのある投球で、大冠打線を無失点に抑え、なんと6回コールド勝ちで、決勝進出を決めた。
 大阪偕星学園は走攻守の総合力が高い。改めて強さを実感させる試合であった。まず走塁では少しでも相手野手のミスが見られれば果敢に次の塁を奪う姿勢を見せており、そして守備も、内外野ともに動きが良く肩が強い選手が揃っており、難しい態勢からでも強い送球を見せるなどレベルが高いプレーが見られる。打線もうまくつながっていて、1番姫野を中心に長打力のある打者が揃い、下位打線もしぶとさがあり、勝ち進むごとに試合内容が向上している。大阪桐蔭を破ったチーム力をこの試合で随所に感じさせた。

 初の甲子園出場まであと1勝。疲労が残る中で、コールドで終えたことは追い風になっていくのではないだろうか。すべての力を振り絞り、頂点に立つことができるか注目だ。

(文=河嶋 宗一

■大阪偕星学園の野球部訪問をチェック!!
大阪偕星学園高等学校(大阪)


関連記事
・第97回全国高等学校野球選手権大会特設ページ
・あの学校の取り組みは?!大阪府の野球部訪問を一挙紹介!
・夏よりも熱い!全国の野球部に迫った人気企画 「僕らの熱い夏2015」

第97回全国高等学校野球選手権大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.27

【京都】龍谷大平安、京都成章、北嵯峨などが2次戦進出戦に挑む<春季大会>

2024.04.27

横浜に入学した「スーパー1年生5人衆」に注目せよ! 佐々木朗希二世、中学日本代表の二刀流など明日の慶應戦で活躍なるか!?

2024.04.27

【大阪】3回戦は28日に大阪桐蔭、履正社が登場、29日には上宮-関西創価など<春季大会>

2024.04.27

【広島】広陵は瀬戸内と、広島商は崇徳と夏のシードをかけて激突<春季県大会>

2024.04.27

【春季埼玉県大会】川越東が松山との接戦を制し初戦突破!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!