枚方津田vs開明
20安打24盗塁25得点
近年進学実績を伸ばす反面、運動部の環境面には厳しいものがある開明と昨夏ベスト8の枚方津田との一戦は、初回から枚方津田ペースで進んだ。
1番の師橋 大吉(3年)が相手のエラーで出塁すると2者連続のバントヒットに悪送球が絡み先制に成功。その後も打線がつながり初回から打者11人を送り込む攻撃で7得点。2回にも1回戦で決勝タイムリーを放った4番・山田 暁(3年)のヒットからチャンスを作り6点を追加した。
序盤で早くも2桁の点差をつけると、3回には途中出場の門前 京介(3年)が無死満塁で左中間を破り、中継からボールが届くより先にホームベースを駆け抜ける満塁ホームランを記録。
他にも相手の隙を突く走塁は随所に見られ、請関 陸(3年)の5盗塁を筆頭に満遍なく走り先発全員の計24盗塁。開明の小柄な捕手・寺前 遥紀(1年)の送球には力強さが足りず、投手・金田 啓佑(1年)にはクイックも牽制もないため塁に出れば盗塁はフリーパス状態。背番号1のキャプテン・岡本 和也(2年)は守備では内野の要のショートを任され、打撃では多くの打席が回るよう1番を任されていた。
そんな開明の中継が光ったのは4回、1死から枚方津田の2番・大畑 宙生(3年)がセンターオーバーのヒットを放ち三塁へ向かうとランナーコーチを務める入谷 健太(2年)はストップの指示をしていたが、大畑は行けると判断し本塁突入。しかし一旦立ち止まったためホームタッチアウト。センター最深部からホームまで一直線につながった開明の中継プレーが勝った。開明ベンチで最も大きな声を出していたのが杉本 友監督。劣勢の中、アウトを取る度に両手を叩いてゲームセットの瞬間まで選手を鼓舞していたが、枚方津田との地力の差は埋め難く20安打を浴び25点を失った。
枚方津田は先発・篠原 宗裕(2年)が4回を2安打無失点と好投すると、最終回には期待の1年生投手・小林晃太に公式戦のマウンドを経験させる余裕も見せ1回戦で完封したエース・上山達也(3年)、3番・ショートでキャプテンの農本 篤(3年)をベンチに温存しながら5回コールド勝ち。
上山は球威こそそれほどではないものの、豊富な球種を持ちコントロールと安定感は抜群の左腕。農本は1回戦では一、二塁間を破る安打で判断よく二塁を陥れたり、三遊間に飛んだハーフバウンドの難しい打球をうまく回り込んで捌くなど走攻守全てにセンスを感じさせるプレーヤー。次戦は積極打法の目立つ門真なみはやとぶつかる。好ゲームに期待だ。
(文=小中 翔太)
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