相模原vs百合丘
関東大会出場実績のある公立の雄対決、県相に一日の長
今春、県大会準優勝で関東大会進出を果たした通称“県相”こと県立相模原。県立校としては14年ぶりの関東大会出場ということで話題になったのだが、その14年前に関東大会に出場していたのが、百合丘である。つまり、21世紀になって、神奈川県の県立校で関東大会に出場している両校の対決ということになる。いうなれば、県内の県立の雄対決といってもいいであろう。しかも、いずれも山梨県で開催された関東大会だったということも因縁めいている。
県相は宮崎 晃亮君、百合丘は2年生の山口君と両右腕エースの先発で始まった試合。3点を目途とした競り合いが予想されたが、その3点を早いタイミングで奪った県相が、宮崎君の好投の好投もあってそのまま逃げ切った。初回、先頭の木村君が四球で出ると、すかさず二塁盗塁。これで、百合丘の山口君はやや動揺したのか、球が中へ集まった。そこを巧みについた県相の3番金子 圭希君が右線二塁打して先制する。
県相はさらに1番からの好打順の3回、木村君が左前打するとバントで送るなどして、二死二塁から4番森山君の右前打で追加点を挙げ、続く宮﨑君も左翼線へ二塁打してこの回2点。これで、県相としては、いい流れで試合を運んでいくことができるようになった。自らのタイムリーもあったということで、宮﨑君もスイスイと自分のリズムで投げられていた。
また、ベンチも自分たちで考えながら相手を攻略していくという、佐相 真澄監督が就任以来、求め続けてきたスタイルが定着しつつあるようで、イニング前の円陣も、監督が話す時間は少なく、いい雰囲気での戦いだった。県相は7回にも9番小野沢君が二塁打すると、木村君が送り、井口君がスクイズを決めるという慎重な戦い方でダメ押し点を奪った。
そして、宮崎 晃亮君は鋭いタテのスライダーを中心として、2安打13三振で、文句のつけようのない内容だった。こうして県相は、ほぼ理想に近い形で初戦突破した。百合丘としては、思っていた試合運びは出来なかったという悔しい思いはあるだろう。ことに、序盤の攻防で主導権が取れなかったことが、最後まで響いてしまった。それでも、山口君はじめ、2年生がスタメンに4人も名を連ねていたチームだ。この日の経験をバネとして、秋以降の戦いに期待したい。
(文=手束仁)
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