我孫子東vs柏の葉
剛腕躍動!宮城正規が最速142キロの速球を武器に6回1安打無失点!我孫子東が初戦突破!
ようやく本領発揮の投球といっていい。
我孫子東の宮城正規。180センチ100キロと実に恵まれた体格をした豪腕である。
大事な初戦のマウンドを任された宮城は立ち上がりから躍動する。
右オーバーから投げ込む直球は常時136キロ~142キロを計測。コンスタントに140キロを出しており、昨秋よりもアベレージが5キロほど上がっている。そのストレートはウエートが乗っており、この夏も140キロ以上を出した投手をいろいろ見てきたが、威力が違う。プロのスカウトが好むボリュームあるストレートだ。
立ち上がり、三者連続三振を奪う立ち上がりを見せる。NPBのスカウトが訪れており、この日は良いアピールになったことだろう。
その裏、我孫子東は一死一、三塁から4番岩田裕生(3年)の左前安打で先制(岩田は二塁でアウト)。二死三塁から5番恩田 綾(3年)の適時打、6番神田広海(3年)の適時二塁打で3点を先制。さらに2回裏、バッテリーミス、5回裏には恩田のライトゴロで5対0とする。
宮城は五回一死まで一人の走者も出さない投球。この日はいつもより体のキレがあり、猛暑のマウンドの中でも安定した投球。6回まで投げて被安打1、無失点の好投だった。速球の速さだけではなく、コントロールも安定し、しっかりと投げ分けて、ゲームメイクしようという意思が感じられた。リズムも良かった。また初回には全力投球で、三者連続三振を奪って、味方を勢い付けたように流れを読んだ投球ができていた。
1年から並外れた速球を投げていた宮城だが、実戦力を欠け、思うような投球が出来なかった宮城。大井監督から「いかに投球になれるかですね。まだまだ投球マシンです」と厳しい言葉をかけられていたが、最終学年にかけて着実に成長を見せていた。あとは恵まれた素質を公式戦の場で表現できるかが課題だった宮城にとって、今日の投球は自信を付ける内容だったに違いない。
7回表から背番号1の岩田が登板。常時135キロ前後と春よりも5キロも速くなっている。春では計測さえしなかった135キロを何度も計測しているのだか
ら素晴らしい。コントロールの精度は健在で順調に仕上がっていた。7回裏に前田源太(3年)の適時三塁打で1点を追加し、6対0。
そして9回表、3番手に右腕・秋葉悠登(2年)が締めて6対0で完封勝利を決めた。宮城の投球が光ったが、各選手の技量が春よりも伸びており、総合力が高いチームへ成長。シード校として盤石な試合運びで学校創立初の3回戦へ駒を進めた我孫子東。さらに躍進を目指す。
(文=河嶋宗一)
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