試合レポート

専大松戸vs松戸国際

2015.04.26

緊迫した投手戦!松戸ダービーは専大松戸がリベンジ成功!

打って守って大活躍の原嵩(専大松戸)

 昨年秋に続いて、2回戦で松戸ダービーが実現した。専大松戸vs松戸国際
松戸国際は昨年秋季県大会で準優勝しており、出場した関東大会ではベスト8。今大会、非常に注目されている学校だ。勢いある学校に待ったをかけようというのは専大松戸。実はこの両校、昨年秋に対戦しており3対2で松戸国際が勝利している。もちろん専大松戸はリベンジしかないだろう。

 2回表、いきなり専大松戸が先制する。
一死から今大会、好調の5番・原 嵩(3年)が安打で出塁。内野ゴロの間に二塁へ進む。二死二塁で迎えるは7番・川添 雄晴(2年)。風にも乗った打球がレフトオーバーの二塁打となり1点を先制した。松戸国際・好投手の植谷 翔磨(3年)から奪った大きな1点だった。

 反撃したい松戸国際。初回から走者が出塁すると、打順関係なく犠打で得点圏にランナーを進める姿勢を見せる。
4回裏、一死から4番・沢辺 太一(3年)、5番・植谷が安打で繋ぐ。植谷が放った安打の間に沢辺は三塁へ進む好走塁を見せ、一死一、三塁。迎えるは6番・米田 一成(2年)。もちろん初回から攻撃を見ている専大松戸がスクイズを警戒しないはずがなく、時折ウエストボールを放り、相手ベンチの様子を伺う。警戒していたが、それを掻い潜り米田がセーフティースクイズを決めて、沢辺がホームイン。同点に追いついた。警戒されても成功させた松戸国際の攻撃は見事であった。

 5回表、専大松戸の攻撃はこの大会打撃絶好調の5番・原が安打を放ち出塁。相手バッテリーのミスで原は二塁へ進塁。ここで6番・河村 佳祐(3年)が中前安打を放ち、二塁走者の原は迷うことなく本塁へ突入。ギリギリだったが生還し専大松戸が1点勝ち越した。

 試合はここから緊迫した投手戦に。
専大松戸・角谷、松戸国際・植谷は共にコントロールが素晴らしい投手であることから、相手打線に神経を使い必然と両投手は球数が非常に多くなっている。専大松戸河村 佳祐捕手、松戸国際岡本 耕典捕手が丁寧にリードしているからであろう。

2015年度 春季高校野球大会 特設サイト
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!

力投した植谷投手(松戸国際)

 なんとか逆転したい松戸国際。7回裏の攻撃は一死から6番・米田が安打で出塁。7番・石川 裕勝(3年)の打順でも、同校の石井忠道監督は迷うことなく犠打を選択。走者を二塁に進めて、8番・天野 勇介(3年)は四球で繋ぐ。二死一、二塁で迎えるは9番・岡本 耕典(3年)。秋は上位打線を打っており、松戸国際としては絶好の打者に回ってきた。
岡本は期待に応え右前安打を放ち、米田が本塁へ突入。しかし専大松戸・原の素晴らしい好返球でタッチアウト。専大松戸が追加点を許さなかった。原のレーザービームと言わんばかりのストライク返球には球場もどよめいた。このプレーで完全に流れが専大松戸へ傾いた。

 松戸国際は最終回にも二死二塁とチャンスを広げたが後続が続かず試合終了。
1点をめぐる、緊迫した松戸ダービーは専大松戸に軍配。2対1で松戸国際へのリベンジに成功した。強豪同士の一戦であることから、好ゲームを予想していたがまさにその通りになった。強いてポイントをあげるなら、専大松戸の堅い守りであろう。松戸国際の反撃体制になっても、随所で堅守を見せたことが勝利に繋がった。今年度も完成度は高く、非常によく鍛えられているチームができあがっている。

 特に専大松戸原 嵩は今夏注目されてもおかしくない身体能力抜群の選手だ。この打者を乗せると、止められそうにない。これで投手もやるのだから、専大松戸の命運を握っている選手だろう。

 これで昨年秋の優勝、準優勝が二回戦で姿を消す波乱の大会に。
松戸ダービーのリベンジに成功した専大松戸はベスト8をかけて、三回戦で成田との対戦が決まった。この試合も非常に見応えある試合になりそうで今から楽しみだ。

(文=高校野球ドットコム編集部)

2015年度 春季高校野球大会 特設サイト
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.05

【関東】常総学院、花咲徳栄などが関東大会進出!5日の山梨準決勝で出場校がすべて決定!

2024.05.05

【春季埼玉県大会】花咲徳栄9回一挙5得点!山村学園のプロ注目左腕・西川を攻略し逆転で関東大会へ!

2024.05.05

【岩手】花巻東が第1代表掴む!大船渡、盛岡中央などが敗者復活戦で代表<春季地区予選>

2024.05.05

【福井】福井工大福井がサヨナラ勝ちで5年ぶり優勝!敦賀気比を破って北信越大会出場も決める!<春季県大会>

2024.05.05

【群馬春季大会】樹徳が10年ぶり関東大会出場!バッテリーが勝利の立役者に!

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.04.30

大阪大などに卒業生を輩出する進学校・三国丘  文武両道を地で行く公立校は打倒・強豪私学へ「何かしてやりたい」

2024.04.30

【岩手】宮古、高田、久慈、久慈東が県大会出場へ<春季地区予選>

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.04.30

【山口】宇部鴻城が西京を下して7年ぶり優勝!<春季大会決勝>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>