土岐商vs関商工
土岐商が逆転で、7年ぶり4度目の東海地区大会進出を決める
チームの好守の要・渡邉君(土岐商)
東海地区大会出場をかけた3位決定戦。土岐商は15安打、関商工は17安打を放つという、両軍合わせて32安打が乱れ飛ぶという内容だった。
中盤以降、いくらか乱戦気味になってしまったが、試合を制したのは5回に逆転した土岐商で、7年ぶり4回目の東海大会出場を果たした。
土岐商は初回、1死から加藤雅也君が右前打で出ると、内野ゴロで二塁へ進み、4番渡邉君の左前打で効率よくあっさりと先制した。しかし、その後は2、3回と関商工の先発左腕中根君が、丁寧に投げて3人ずつできちんと押さえて、その裏関商工が反撃した。
この回、関商工は2番日比野君が三遊間を破って出塁すると、平田君が三塁線を破って二三塁。栗下君の中前打で同点とした。二走の平田君は本塁で刺されたものの、6番細江君の一打が一塁手の手前で大きく跳ねて安打となって、これが逆転打となった。
さらに関商工は4回にも平田君が左翼線へ二塁打して追加点を挙げた。ここまでは関商工のペースで試合は進んでいった。
ところが5回、土岐商は9番斎藤広君の左前打で1点を返し、内野安打と失策で2死満塁とすると、渡邉君の左前打で同点、さらに土本君が一塁線を破る二塁打で2者を返して逆転した。土岐商は、いくらか疲れの見えた感じの中根君をしっかりと捉えだした。
力投する勝野君(土岐商)
関商工洞口哲二監督は、6回からは二番手として遠藤君を送り出した。しかし、勢いづいた土岐商は7回に遠藤君を捉えて、失策と渡邉君の右線三塁打に土本君、切島君の連打など4安打でさらに4点を加えた。
その裏、関商工も押し出しと、日比野君の安打などで2点を返したが、土岐商は8回にも切島君の二塁打で追加点を上げて突き放した。そして、7回途中からリリーフしたエースの勝野君が8、9回もいくらか打たれながらも何とか凌いだ。
17安打されつつも5失点に抑えたともいえるが、工藤昌義監督も、
「よく凌いだと言っていいでしょう。守りとしては、結果的には三つの併殺がありますし、相手は二つの失策がありましたが、ウチはありませんでした。その差が得点差になったということではないでしょうか」と、乱戦気味のスコアではあるが、試合としては、よく守ったということを評価していた。
また、勝野君との継投についても、疲れもあるので、そのタイミングを見ていたのだが、工藤監督は4点を奪った7回に、その裏ピンチを迎えたところで、送り出した。本来の調子ではなかったようだが、それでも抑え切れたという点は、やはりエースの自信と貫録と言っていいであろう。
(文=手束 仁)