試合レポート

前原vs豊見城

2014.08.06

両者ともにカラーを出し切った好ゲームだったが、経験の差で前原が勝利!

前原vs豊見城 | 高校野球ドットコム

西野光人(前原)

 「 勝ったとも負けたとも言えないようなゲームでした。こちらが勝てたのは、バッテリーの経験の差でしょう 」と、前原の大川監督は振り返った。

 先制したのは前原。4回表、クリーンアップの3連続単打で無死満塁とすると石川喜琉(きりゅう)のスクイズで1点を奪ったが、ここは最小限の失点で切り抜けた豊見城先発の翁長宏和を褒めるべきだろう。

 すると7回裏、ここまでヒット8本を打たれながらも、上記のスクイズの1点のみに抑え続ける翁長を助けようと、豊見城打線が奮起。セカンドのエラーで出塁すると盗塁で得点圏に進めて9番喜舎場宗和が右中間を破るタイムリー二塁打で1点を返した。

 しかし前原は8回表、二者連続のヒットと四球で満塁とすると平良竜哉のセンター前タイムリーと、次打者の押し出し死球、さらに眞栄里拓馬がセンター前へ運ぶなど3点を加えた。

 ところが豊見城はその裏、レフト前へのラッキーなテキサスヒットと、神谷隆也のセンター前タイムリーなどで1点差に詰め寄る。

ここで並の投手ならばズルズルと行くところだが、去った夏の選手権沖縄大会興南戦で7回と1/3イニングを投げて1失点に抑えた西野光人徳盛辰樹のバッテリーは、その豊富な経験値をいかして次打者をサードゴロに斬ると最後は三者凡退で粘る豊見城を退けた。

 敗れた豊見城だが、この日投げた翁長と宮海翔(みや・かいと)の二人がまだ一年生とのこと。特にリリーフしたサウスポー宮のストレートには目を引くものがあり、これから先の高校野球のステージでの経験を踏んでいくとこで、立派な投手となる可能性を十分に秘めた素材だ。

 秋の大会でも、前原豊見城の戦いぶりが楽しみと感じる好ゲームであった。

(文:當山 雅通)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.06

【石川】星稜が完封リレーで「県4連覇」、北信越大会へ<春季県大会>

2024.05.06

センバツV・健大高崎は夏も強い! Wエース抜きで県大会優勝、投打に新戦力が台頭中!

2024.05.06

【春季埼玉県大会】花咲徳栄4回に一挙10得点!20得点を奪った花咲徳栄が昌平を破り優勝!

2024.05.05

【関東】常総学院、花咲徳栄などが関東大会進出!5日の山梨準決勝で出場校がすべて決定!

2024.05.05

【春季埼玉県大会】花咲徳栄9回一挙5得点!山村学園のプロ注目左腕・西川を攻略し逆転で関東大会へ!

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.04.30

大阪大などに卒業生を輩出する進学校・三国丘  文武両道を地で行く公立校は打倒・強豪私学へ「何かしてやりたい」

2024.04.30

【岩手】宮古、高田、久慈、久慈東が県大会出場へ<春季地区予選>

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.04.30

【山口】宇部鴻城が西京を下して7年ぶり優勝!<春季大会決勝>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>