新田vs松山商
松山市内のライバル校対決は、新田に軍配!
内野席の日陰部分は一塁側・三塁側共に席が埋まり、直射日光を避けられる4階席にも多くの観客が。平日昼間にもかかわらず[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]には気温以上の熱気が支配していた。
それもそのはず。甲子園でも何度も大観衆を沸かせた県立商業の雄「松山商業」と愛媛県の伝統私学「新田」が早くも2回戦で対戦。OB・OGたちのみならず愛媛県高校野球ファンにとって垂涎のカードだからだ。
ただ、試合は新田が攻守にイニシアチブを握る展開で終始した。
2回裏に敵失で先制すると、3回には50メートル走5秒8の俊足を活かした2番・安地 洋平(3年・三塁手・右投右打・169センチ60キロ・松山市立雄新中出身)のバント安打などで無死満塁とし、一死から4番・上杉 大輝(3年主将・捕手・右投右打・170センチ74キロ・愛媛ボーイズ出身)が三遊間適時打。5番・榎 亮輔(3年・投手・右投右打・190センチ89キロ・松山市立雄新中出身)も一・二塁間2点適時打で4点を先行。
特にこの場面では愛媛朝日テレビ中継では最速138キロをマークしていた松山商業先発・伊藤 駿介(3年・投手・右投右打・176センチ76キロ・えひめ西リトルシニア出身)のストレートに逆らわないバッティングが目を引いた。
守備でのハイライトは6回表2死満塁。
松山商業・伊藤の二遊間を抜けようとする強い打球を横っ飛びで押さえ、二塁封殺を果たした1年生遊撃手・三上 幹太(右投右打・165センチ64キロ・愛媛ボーイズ出身)のファインプレーは、完全に試合の流れを決めるものとなった。
最後は途中出場の6番・眞田 康弘(1年・右翼手・右投左打・172センチ67キロ・松山ボーイズ出身)が中堅頭上を抜く二塁打を放ち、8回コールド勝ちでライバル対決を制した新田。
3失策の守備を含め内容には多々反省点はあるが、2年ぶりの3回戦進出は5安打1失点完投の榎をはじめ明るい材料も備わったものとなった。
(文=寺下友徳)