横浜商vs日大高
横浜商・浅岡が我慢の6安打完封勝利!名門対決を制する!
「Y校」と呼ばれ、親しまれている横浜商は今年度からスポーツマネジメント科が新設されるなど、スポーツに力を入れ始め、日大高は昨秋の関東大会出場を果たし、活気を取り戻してきている。
お互い横浜地区にある学校であり、地元の[stadium]保土ヶ谷球場[/stadium]に登場。それもあってか、ネット裏、内野席のスタンドはほぼ満員。ネット裏正面から見て、右半分の観客席が日大高、左半分は横浜商のファンで埋め尽くされていた。ワンプレーごとに歓声が起こる。雰囲気はとても地方大会3回戦とは思えないほどだ。
先制したのは横浜商だった。横浜商は二死一、二塁から5番小松崎 雄也(3年)の中前適時打で1点を先制する。
投げてはエースの浅岡 洸太(3年)が好投。右スリークォーターから投げ込む130キロ前後の直球、曲がりの大きいスライダーをコーナーギリギリに投げ分け、打たせて取る投球。
また味方も守備で盛り立て、4回裏に一死一、二塁のピンチで、日大の5番藤枝 直孝(3年)の一、二塁間への鋭いゴロを二塁手の高橋 一斗(3年)が処理し、フォースアウト。この回、無失点に抑える。
追加点を入れたい横浜商。2番手左腕・則竹 良太(2年)をなかなか捉えきれずにいたが、8回表、二死から1番黒田 信三朗(3年)が左横線へ二塁打を放ち、二死二塁とチャンスを作る。少ないチャンス、絶対に追加点を取りたいところ。
ここで横浜商は動く。2番大高 真吾(2年)から代打の大江。大江は則竹の直球を振り抜き、捉えた打球は左前安打に。二塁走者・黒田が生還し、2対0と貴重な1点を入れる。
横浜商はこのまま逃げ切りたいところだ。
だが9回裏、日大高先頭の4番竹村 凌太(3年)に死球を与え、5番藤枝にも安打を許し、無死一、二塁。6番山梨 賢(3年)の犠打で、一死二、三塁。ここで7番川口 諒太(2年)。
川口は昨秋の県大会準決勝の桐光学園戦で試合を決める3ランを放ち、意外性があり、侮れない。
次は則竹なので、無理をせず勝負しないで、満塁策でも構わない場面だ。注目の初球。外角球で1ストライクを取った。
横浜商バッテリーは勝負を選択した。この選択に大きく盛り上がる両校スタンド。
熾烈な勝負になることが予想されたが、意外な形で決着がついた。
追い込んだバッテリーは、最後は決め球のスライダーで川口を空振り三振。これで二死。そして捕手の松本 大樹(3年)が三塁走者が飛び出しているのを見逃さなかった。タッチアウトで試合終了となった。
浅岡が6安打完封勝利。走者を出しながらも我慢をして守り切っての完封劇だった。最後は女房役の松本大が相手の隙を見逃さず、試合終了を決めた。
こうして4回戦進出を決めた横浜商。
昨秋の関東大会出場の日大高に勝利したことはチームにとって大きな自信を与える一勝だったことは間違いない。次は昨夏準優勝の平塚学園。次も激しい戦いが繰り広げられそうだ。
(文=河嶋宗一)