則竹 良太選手 (日大高)
寸評
1年夏から登板している実戦派左腕。ピンチの場面でもわずか27人しかいない野球部の中では最も経験が豊富で、イニング途中からでも淡々と抑え込んでしまう度胸の良さがある。チームにとってこれほど頼もしい存在はいないだろう。 (投球内容) 小柄だが、小気味良いの腕の振りから120キロ後半の速球を中心に投げ込む。スピード表示としてはそれほど優れたものではないのだが、強く腕が振れているので、120キロ後半でも球速表示以上に勢いがあって打者が差し込まれているのだ。さらに球速面がレベルアップすれば、次は空振りが奪えるようになっていくだろう。 変化球はカーブ、スライダーを中心に投球を組み立てている。制球力が優れたというわけではなく、高校生としては打ち取りにくいハイレベルな投手ではない。四球を出すこともあり、被安打も打たれてランナーを貯める。だがランナーを背負ってからがこの投手は強みを発揮し、しぶとく腕を振ってキレのある速球、変化球を操りながら、投球を組み立てて打者を打ち取っている。走者を出しながらも動じずに投げることができるからこそ、イニング途中でランナーを背負った場面でも投げることができるのだ。 クイックは1.4秒~1.5秒とあまり早くはないのだが、牽制でランナーを釘づけにしたり、しっかりとランナーはマークしながら、走らせないようにしている。 (投球フォーム) ランナーがいないときでもセットポジションから始動する。右足を高々を上げていき、左足の膝を適度に曲げてバランス良く上げている。右足を二塁方向へ送り込みながら、重心を下げていきながら、前膝を送り込んで着地する。お尻から先行するヒップファーストで、縦回転の動きになりやすく、縦系統の変化球を操りやすい。テークバックは内回りの旋回をしていきながら、トップを作り、リリースに入る。着地時に左肩が大きく下がることもなく、しっかりと左ひじを上げることができており、体重移動も良い。小柄ではあるが、体重移動、下半身の使い方、体の開きも抑えられたフォームといえるだろう。
更新日時:2014.01.13
将来の可能性
ランナーを出してからも落ち着いたマウンドさばき、腕の振りの鋭さ、下半身主導の投球フォームと土台の良さがウリ。全身を目一杯使う投球フォームなので、今のエンジンの大きさをより大きくしていかないと、上積みはできないタイプ。一回り体を大きくして、うまくパフォーマンスの向上につなげていくことができているか注目していきたい。
更新日時:2014.01.13
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