石川vs本部
浜川優馬がエースの気迫見せたピッチングで石川が勝利
まだ無理をさせたくなかった。それが石川・池宮城監督の素直な心の内だった。
石川のエース浜川 優馬(2年)は、足のケガが響き、まだ登板するには早い状態だった。だが、「ここで負けたら先輩たちの高校野球が終わってしまう 」(浜川)と自らを奮い立たせるようにショートからマウンドへ上がると、同点に追い付き勢いを増す本部打線を、この日の最速140キロのストレートでグイグイと押し、ノーヒットと完璧に封じ込んで勝利を手繰り寄せた。
先制した石川は2回、若干1年生の徳山 煌汰のタイムリー三塁打などで3点を追加すると、4回にも、満塁から徳山のセンター前2点タイムリーで試合を優位に進める。しかし本部も3回、大城 隆樹(3年)のライト前タイムリーで1点を返すと6回には、一死満塁から仲宗根 隆哉(2年)が三塁線を破り、走者一掃となるタイムリーで一気に同点に追い付いた。
だが前述した通り、浜川がその後の本部打線を打者12人ノーヒットと断ち切るピッチングを見せると石川は6回に池原 樹(3年)のタイムリーなどで2点を奪いそのまま逃げ切りに成功。もちろん目標は、1年生から3年生までの力が噛み合い12安打をマークした強力打線と、気迫溢れる浜川のピッチングで春のベスト4を上回る優勝を目指す。
(文=當山雅通)