東海大浦安vs千葉明徳
東海大浦安・一志投手
東海大浦安が息詰まるような投手戦を制し、準決勝進出！
第2試合は千葉明徳と東海大浦安の一戦は、東海大浦安の先発・一志 亮弥（3年）、千葉明徳の先発・畠山 滉平（3年）の投げ合いとなった。
一志は右スリークォーターから繰り出す速球は常時130キロ～135キロで、力を入れた時は130キロ後半（最速139キロ）を計測しており、力のある投手だ。
一般的に腕の位置が低い右スリークォーターの泣き所は打者と正対しやすく、左打者にとっては打ちやすくなってしまうところだろう。そういう投手が、左打者を抑えるには何が必要かというと、内角へ攻めである。右サイドで勝てる投手というのは内角で体を起こして、外角へ沈むボールで勝負をする。外角一辺倒だけでは、簡単に踏み込まれてしまうので、踏み込まれない投球をさせないことが鉄則。
一志は左打者の膝元へのスライダーのコントロールが抜群だった。120キロ前後のスライダーが膝元にバシバシと決まる。千葉明徳は7人の左打者がいたが、左打者を苦にせず、3回表に二死二塁から左打者の3番佐藤 洸汰（3年）に適時打1本の実に抑えることが出来ていた。クイックも1.2秒前後を計測し、フィールディングの動きも良く、基礎技術が高い右腕であった。
千葉明徳・畠山滉平
対する千葉明徳の畠山は1年からマウンドを踏む左腕で、昨年より進化した姿を見せてくれた。
速球は2年まで常時120キロ後半で、速くて、130キロ前半だった。しかし、この試合ではコンスタントに135キロ前後を計測しており、最速で138キロを計測。何度も130キロ後半を計測していた。また球速以外にも畠山の武器としてフォームがあげられる。
畠山の特徴としては力感の無いフォームからキレのあるストレートを投げられること。始動からリリースに入るまで、脱力したフォーム。だがリリースから一気に腕を鋭く振りに行くので、打者はワンテンポ遅れてしまう。指にかかったときのストレートは打者がとらえたと思ってもファールになってしまうほどだ。
このストレートに、緩いカーブ、スライダーを織り交ぜ、淡々と試合を作っていく。5回裏に失策で1点を失うが、甘い球がほとんどないほぼ完ぺきな投球だった。
お互い内容が良いと簡単に決着がつくものではなく、試合は延長戦へ。一志は延長に入ってからも130キロ後半のストレート、スライダーを織り交ぜ、あっさりと切り抜け、畠山はやや疲れが見えて、ヒットを浴びながらも何とか無失点に切り抜けて、延長11回表に入った。
延長11回表から東海大浦安は2番手・平川 裕太（3年）が登板。平川はテークバックから大きく取り、オーバー気味に振り下ろす130キロ前半の速球、スライダーのコンビネーションで無失点に抑えると、11回裏、二死一、三塁のチャンスを作り、平川が自ら試合を決める中超えサヨナラ打を放ち、準決勝進出を決めた。
東海大浦安は一志、平川とレベルの高い投手陣を揃っており、見応えのある投手陣だった。準決勝は県内屈指の破壊力を秘める千葉経大付と対戦。千葉経大付相手にも自分の投球スタイルを発揮できるか注目したい。
(文＝河嶋宗一)
