東陵vs涌谷
東陵が5回コールドで県大会出場決定
三盗を決める山崎(東陵)
今春の選抜大会に出場した東陵が12対0で涌谷に5回コールド勝ちし、県大会出場を決めた。
試合前の東陵ベンチ。背番号6のユニホームが掛けられていた。3番を打つ正遊撃手・工藤翔のものだ。聞くと、チームではインフルエンザが流行中。工藤は前日から体調を崩し、この日の朝、熱が39度を超えたのだという。スタメンも選抜大会までと変わっており、4番を打っていた小林壱聖はベンチにすら入っていなかった。小林は不調が続き、背番号7を庄子裕希に譲っていた。その庄子が、工藤の欠場に伴い、3番・ショートとして出場。レフトは背番号17の相澤一寿が守った。
東陵は4月19日に松島と地区大会初戦を戦った。松島は昨秋の県大会で優勝した仙台育英を苦しめ、延長の末に敗れたチーム。東陵も松島のアンダーハンド・大井優佑を打ちあぐね、1対1で延長へ。10回表に2点を失うも、その裏、同点に追いついた。そして、11回裏に二死三塁から伊東拓人がヒットを放ってサヨナラ勝ち。山崎誠悟主将は「甲子園に出て、負けちゃダメというプレッシャーと緊張がありました。点を取れず、焦りもありました」と振り返る。守備では2つのエラーを犯し、11四死球を得点に結びつけることができなかった。
気持ちを切り替えて臨んだこの日の試合。
1回表をエース・佐藤洸雅が三者凡退に抑えると、その裏、1番・山崎が相手のエラーで出塁。2死三塁から4番・白石雅嗣がライトオーバーの三塁打を放って先制した。これをきっかけに、相手エラーと2本のヒットで3点を先攻。その後も得点を重ねた。
選抜大会では初戦で白鷗大足利(栃木)に1対9で敗退。「悔いの残る試合をしてしまいました」と山崎。甲子園という舞台の大きさが東陵ナインを硬くし、実力を出し切れないまま終わった。「夏の甲子園に懸ける気持ちは、宮城のどのチームよりも強いと思います」と山崎。夏に甲子園に戻る、という気持ちが東陵のモチベーションになっている。
(文・高橋 昌江)