糸満vs宜野座
糸満が投打ともに完璧な内容で3年振り4度目の優勝を飾る
好投を見せた赤嶺祥吾(糸満)
糸満は初回、ツーアウトながら一・二塁とすると、ここまで打率.263と決して当たっているとは言えなかった5番大城幸泰が、センターの頭上を襲う2点タイムリー三塁打を放ち先制。続く赤嶺祥吾もセンター前に弾き返して3点を奪う。3回には一死一・二塁から、再び大城幸がセンター前タイムリーで加点すると、その後のワイルドピッチで三塁走者が生還した。絶好調の大城幸はその後の打席でもヒットを重ねて、この日6打数5安打と大暴れ。その彼に引っ張られるように4回にも1点を加えた糸満は、6回には打者9人を送る猛攻で4長短打を集め一挙5点を奪い試合を決めた。
投げては4回まで宜野座打線をパーフェクトに抑えるなど、6イニング20打者に対し僅か2安打と、先発の赤嶺祥吾が前日の準決勝戦に続く素晴らしいピッチングを披露。サイドからの威力あるストレートにキレのあるカットボールと右打者へのシュートを武器にこの春、31回1/3イニングを投げて自責点ゼロと今大会で大黒柱へと成長した。
その赤嶺に負けない活躍を見せたのがリードオフマンの神谷大雅。全6試合でヒットをマーク、読谷戦での本塁打を含め19打数12安打で打率は圧巻の.632を記録。6試合60得点、チーム打率.376の糸満打線を最後まで引っ張り続けた。
敗れた宜野座だが、好投手のいる小禄やコザとの僅差のゲームを制し、今大会シード4校の中で唯一準決勝まで残り、10年振りの決勝進出を果たすなど全員野球の粘り強さと、當眞主将をはじめ笑顔が絶えない爽やかなプレーを見せてくれたと言えよう。
勝った糸満は、センバツ出場の沖縄尚学と美里工とともに熊本県で開催される第134回九州地区高校野球大会に出場する。自慢の打線と赤嶺の投球が、九州の並み居る好投手や強打者にも通用するのを示して自信に繋げ、最後の夏への三つ巴の様相へと持ち込みたい。
(写真・文=當山 雅通)