東邦vs誉
タイムリー三塁打を放つ峰洸平選手(東邦)
猛打爆発を導いた東邦バッテリーの成長
初回に4本の適時打で5点。2回は適時打5本で8点。
東邦は立ち上がり2イニング連続で打者一巡の猛打を爆発させ10安打13点。あっという間に試合を決めた。
「相手投手は外角中心に投げてくると予想していた」と峰洸平主将(東邦)。試合前に確認した「しっかり踏み込んでセンター返し」をチームで実践した。
8月の地区予選で中京大中京に敗北し、完全にスイングで劣っていると感じた森田泰弘監督は、県大会に向け多くの時間を打撃練習に割いた。
「新チームになって取り組んできたことが少しずつ形になって出てきている」と森田監督は、ここまでの戦いで手応えを感じている。
試合の流れを導いたのは先発のエース・大井友登投手だ。ストレート、スライダー、チェンジアップの3種類すべてを決め球にする配球で、誉打線に的を絞らせなかった。
「初回と4回に先頭打者をヒットで出したが、内野手からの声で気持ちを切り替えられた」と大井投手。初回一死二塁のピンチは誉の3番、4番をそれぞれ内野ゴロで打ち取った。4回は先頭の三番・山崎巴央をヒットで出したが4番・小林昭悟を空振り三振に仕留めると、5番・長谷川隼斗は併殺打に打ち取り誉の主軸打者に仕事をさせなかった。
先発の大井友登投手(東邦)
森田監督は日頃から「このチームはお前のチーム」とエース大井へ言葉をかける。新チーム発足後の練習試合で10日間に8試合登板させた。
「自分からチームの雰囲気を作って行きたい」と連投の中で投げ抜けるという自信と、エースとしての自覚が芽生えた大井。
相棒の捕手、峰について「投げたい球とサインが合わない時もあったが、2人でしっかり話し合って修正できた」とバッテリーとしての成長も実感している。
今日の試合でもサインに首を振ることは無かった大井は「常に投げたい球を投げさせてくれた。自分が間違っているときは遠慮なく言ってくれるので安心している」と相棒への信頼を口にしていた。
(文=加藤千勝)