豊川vs星城
3回、タイムリー二塁打を放った豊川・杉浦君
敵失にも乗じた豊川、毎回得点で圧倒
ある程度競り合いが予想された試合だったが、序盤から星城にミスも重なったこともあって、思わぬ大差の試合になってしまった。
星城はスタートメンバーに1年生が7人も出場していたのだが、それだけにひとつリズムを崩すと、立て直すこともなかなか難しかったのかもしれない。
初回、豊川は内野失策で出た走者を盗塁とバントで進めると、暴投でホームに帰した。労せずして先制点が入った。さらに2回には、2死走者なしから、8番田中空君が右中間三塁打すると、島君は四球で一三塁となり、1番中村君が中前打で三塁走者を帰し、さらに中継ボールの送球が乱れる間に、島君もホームインして、この回も相手のミスにも乗じた形になった。
3回にも、豊川は武市君、杉浦君のタイムリー打などで3点を追加して、完全に主導権を握った。
ここで星城は先発左腕の沢田君を諦めて、大きな体の堀口君を投入。
後を受けた堀口くんは3回は何とか凌いだのだが、4回に掴まる。武市君にタイムリー長打を浴び、さらに杉浦君にも中前へタイムリーを許して3点が入った。
5回にもバント送球ミスなどでさらに2点を追加した豊川は、5回まで毎回得点で11点として、全く危なげなくコールドゲームでベスト8進出を決めた。
戦況を見守る豊川ナイン
先発した田中君は最速142~3キロは出るというストレートもキレが良かったが、それでもまだ制球が少し甘かったようだ。四球こそ、一つのみだったが、もっとストレートを先行させていける投手ということである。
ミスもあって、完敗となった星城の山元浩太監督は、「豊川さんの打線は力があるので、むしろ緩い球の沢田の方が有効かなと思って先発させました。力の差はあるかなとは思っていましたが、ミスも重なってしまったら、こういう結果になってしまいますね」と、肩を落としていた。
昨秋も県大会準優勝を果たして、21世紀枠代表の東海地区候補にも選出された豊川。
この夏から、今井陽一新監督が就任したが、「普段通りの野球をやろうということで、臨みましたが、それがきちんと守れたということで、こういう形になったと思います。相手のミスもありましたが、野球にミスはつきものです。当然のことですけれども逆のこともあります。だから、いかにミスを防ぐか、そして相手のミスにどれだけ付け入れられるのかというところです。目標としては、去年以上の成績というと、優勝しかありませんから、まずはそこを目指しています」と、しっかりと目標を定めている。
(文=手束仁)