東京実vs共栄学園
序盤の点の取り合いから、ビッグイニング作った東京実が抜け出てコールド発進
2回、タイムリー打した共栄学園・浦佐君
9月下旬に開催される「スポーツ祭東京2013」(第68回国民体育大会)の関係もあって、今年は例年よりも1週間早く開催されることになった秋季東京都大会の一次ブロック予選。夏休み中に開催ということになった。格別暑い今年の夏である、とても秋季大会という感じではないのだが、早くも来年春の甲子園を目指す秋の戦いの場が始まったのである。
序盤、それぞれに点を取り合って始まった試合は、2回に東京実がビッグイニングを作ったことで、一気に主導権を握り、後半にも加点してコールドゲームとした。
共栄学園は初回、2死二塁から4番坂本君が右中間を破る長打で先制し、中継がややもたつく間に自らもホームを狙ったがここはタッチアウト。その裏、東京実も2死から相手失策で走者を二塁まで進めると、三浦君の中前打ですかさず同点とした。両チーム打つべき4番がそれぞれ打って得点するという、攻撃的にはいい形で試合に入ることができた。
2回にも共栄学園は2死走者なしから、下位の7番花野君から大橋君、浦佐君の3連打で再びリード。各打者、思い切りよくバットを振っており積極性が感じられた。このあたりは、原田健輔監督の指導が徹底しているのだろうという印象だった。ただ、グラウンドの条件もあるのだろうか、外野手の守りの判断がもうひとつよくなく、本来ならば飛球として捕れるものを長打にしてしまうという守りがいくつかあって、それが結果的に破たんとなった。
東京実・鎌田君
2回にそれが出てしまった。
この回東京実は、先頭の6番林君は中前打で出ると、8番岡田君の右前打で一三塁。宮良君はやや幸運な左前打で再び同点とする。さらに連続四球で押し出しもあったが、3番松谷君の一打は左翼線へ。これが二塁打となりさらに2者が帰る。松谷君自身も、内野ゴロで進塁後、相手のやや緩慢な送球のスキを突いて本塁を陥れる好走塁でこの回5点が入った。
このリードで、2回までいくらかバラついていた東京実の鎌田君も落ち着きを取り戻して本来の投球となっていった。走者を出しても、3回、5回は併殺で切り抜けていたが、持ち味ともいえるタテのスライダーがいいところにコントロールされていた。6、7回はピシャリと3人ずつで抑えた。
東京実は2番手の横手投げ橋川君のくせ球にやや苦しんでいたが、2巡目となった7回に四球から好機を作ると、1番串崎君の二塁打や浜端君の右越打で3点が入った。序盤こそ苦しんだものの、東京実の山下秀徳監督としても、後半は納得のいく展開だったのではないだろうか。
(文=手束仁)