大阪桐蔭vs関西創価
甲子園夏連覇に挑む大阪桐蔭、3年連続で大阪大会決勝に進出
夏の甲子園大会連覇に挑む大阪桐蔭と、16年ぶりの4強入りを果たし、2001年春以来、2度目の甲子園出場をめざす関西創価の激突となった大阪大会準決勝第一試合。
好天に恵まれた週末の[stadium]舞洲ベースボールスタジアム[/stadium]には、朝から多くの高校野球ファンがつめかけ、内野スタンドはほぼ満席。先発投手は、大阪桐蔭・葛川智哉(3年)、関西創価・平山悠太(3年)の両エース。午前10時7分にプレーボールがかかった。
先攻の関西創価は1回表、1番・吉田千裕(3年)が一、二塁間を破るライト前ヒットで出塁。2番・太田久志(3年)が送りバントを決め、いきなりスコアリングポジションにランナーを進めたが、3番・高正則(1年)が3球三振。続く4番・伊藤直樹(3年)は中堅後方へ大飛球を放つも、大阪桐蔭のセンター・高木俊希(3年)が好捕。チャンスをつぶすと、その裏、大阪桐蔭は一、二塁間をゴロで破る安打で出塁した1番・峯本匠(2年)を二塁に置いて、4番・近田拓矢(3年)がライトフェンスを直撃する3塁打。先取点を挙げる。
今大会、ここまですべての試合に登板してきた関西創価・平山は疲れからか、本来のスピードはなかったが、持ち味である伸びる球質のストレートを大胆に投げ込み、微妙に詰まらせることで外野飛球を量産。2回から4回にかけて奪った9個のアウトのうち実に7個が外野飛球。気持ちのこもった投球で大阪桐蔭に追加点を許さない。
しかし5回裏、大阪桐蔭打線がようやく平山をとらえる。2本のヒットと死球で築いた一死満塁の好機に3番・森友哉がセンターへ犠牲フライ。続く4番・近田が死球で出塁し、再び満塁にすると、5番・香月一也(2年)がレフト前へ2点タイムリー。リードを4点に広げ、この回限りで平山は降板。
その後も、関西創価が繰り出すリリーフ陣、米田大志(2年)、西川千弘(3年)、真加部涼大(2年)に計6本の長短打を浴びせ、8回裏には9番・葛川がレフトポール際へダメ押しのソロホームラン。終始、試合の主導権を握り続け、終わってみれば12安打で7得点。特筆すべきは喫した三振がゼロということ。パワーに加え、バットコントロール力の高さをまざまざと見せつけた試合でもあった。
大阪桐蔭の先発・葛川は右サイドハンドからの力強いストレートを軸に、関西創価打線を散発5安打に抑え、今大会2度目の完投勝利。奪った三振は8個。関西創価は8回に吉田のライトへの犠牲フライで1点を返すのが精一杯だったが、ゲームセットの瞬間まで声を張り上げ、元気よく戦い続けた姿勢にスタンドからは大きな拍手が送られた。
大阪桐蔭は3年連続の大阪大会決勝進出。最大の目標である甲子園夏連覇の道は「大阪大会7連勝」の先にある。
(文:服部健太郎)