創価vs東海大菅生

　7月24日、この日の準決勝第2試合は、今大会未だ失点無しの創価と、粘り強い試合運びで勝ち上がってきた東海大菅生の対戦。雨の中のゲームは、終盤にドラマが待っていた。

　試合は投手戦。なかなか点が動かない。
　東海大菅生はチャンスを作るものの、創価先発・内野聖士郎を中心とした創価守備陣の壁を崩せず、攻めあぐねる。
　一方の強打を誇る創価打線も、東海大菅生先発・小林大のテンポ良く繰り出される投球に、三振とゴロの山を築いていく。

　試合が動いたのは、終盤7回表。東海大菅生、この回先頭の5番・藤原遥樹が放った打球はレフト方向へと高く上がっていく。ショートがレフトを制し積極的に追うも、降雨の中フラフラと上がった打球は、レフト前へとポトリと落ちる。この間に藤原は二塁へ到達。このチャンスに6番、途中から出場の阿部将也がきっちりと犠打を決め、一死三塁。続く7番・山口誉がライトへ犠牲フライを放ち遂に1点を先制。鉄壁を誇る創価守備陣のわずかな隙を見事に突いて欲しかった先制点をものにした。

　9回裏、後が無い創価。先頭の5番・海老原一佳が安打で出塁。犠打で送った後、7番・内野聖士郎は四球で出塁し、一死一、三塁と同点のチャンス。ここで打席に入るのは、代打・樽海賢司。しびれるようなこの場面、樽海は初球を迷いなく振り切り、勢い良く弾かれた打球はライト前へ。この当たりで海老原が二塁から一気にホームへ還り、創価が土壇場で同点に追いついた。

　延長10回表。追いつかれた東海大菅生だが、ここまで苦しい試合を粘りで勝ち進んできた。この回先頭の阿部将也がヒットで出塁。暴投で二塁に進塁した後、7番・山口公誉のライトへのフライでタッチアップ。三塁へと進み、勝ち越しのチャンスを得る。スクイズを試みるも、創価バッテリーが一枚上手。見事に外して打者は三振。走者を三本間に挟み、タッチアウト。一気にピンチを脱し、創価ベンチが盛り上がる。

　この勢いのまま、10回裏の攻撃に移る創価。先頭は、前の打席、フェンス際に大きなフライを飛ばした3番・南遼太郎。球場が異様な雰囲気に包まれる中、3ボール1ストライクからの5球目。鋭いスイングから放たれた打球はグングンと伸び、レフトスタンド中段に飛び込むサヨナラ本塁打。降雨の激闘に終止符を打った。

　劇的なサヨナラ勝ちで2年連続の準決勝進出を決めた創価。その準決勝の相手は、奇しくも昨年と同じ。絶対王者・日大三に挑み、昨年の借りをかえすべく、リベンジを図る。

(文：編集部)