松山聖陵vs東予
第2シード・松山聖陵に「スーパー1年生」あらわる!
第2シード・松山聖陵の堅実な試合運びが光った。
4回裏と8回裏に9番・大杉祐介捕手(2年)が決めたスクイズ。東予が繰り出す3投手に対し、鋭さに徹したスイング。凡打でも先の塁を目指す走塁意識など、随所に荷川取秀明監督の目指す「心でやる野球」の姿が見える初戦であった。
一方の東予は得点こそ8回表、一死二・三塁から相手の三塁けん制ミスに乗じての2点に留まったが、自己最速143キロをマークした今大会注目投手・嘉陽宗一郎に対し9安打。13三振を喫しても折れない心意気は十分に見せた。
エキサイティングプレイヤー 照屋雄大(松山聖陵1年)
この日、松山聖陵の「5番・三塁手」に入ったのは沖縄県那覇市立城北中出身の1年生・照屋雄大であった。
エースの嘉陽宗一郎、1番の国吉翔平中堅手(2年)、2番の山城健人左翼手(3年)など、実力高き沖縄出身者が多く集うチームにあっても1年夏の主軸起用は極めて異例。この起用法を見ても、1999(平成11)年の第71回センバツで沖縄県にはじめて紫紺の大優勝旗をもたらした沖縄尚学の三塁手・荷川取英明監督の彼にかける期待の高さがうかがえる。
そして彼は一発回答でその期待に応えた。2回裏の先頭打者として左打席に入った照屋は1ボール後の初球を叩き、ライトポール際に叩き込む先制アーチ。さらに5回にはライト前、7回にはレフト前とバットコントロールの巧みさも示した4打数3安打1打点に走塁での積極性でも相手に脅威を与えた。
「てるや・ゆうだい」。
有望選手が居並ぶ2年生を追う1年生の筆頭格は、きっとこの男になるだろう。
(文=寺下友徳)