都立江戸川vs玉川学園
高橋瑠君(都立江戸川)
江戸川が攻守に溌剌、5回コールドで進出
攻守に思い切りのいいプレーの光った江戸川が、見た目以上のスコア差をつけて、5回コールドゲームで気分よく都大会進出を決めた。
その切っ掛けは、初回2死走者なしから、北澤君が思い切ったスイングで左翼へ放ったソロホーマーだった。これで、スムーズな立ち上がりをしたかと思われた玉川学園の高橋武君は俄かに動揺したのか、四球を与えて、さらには盗塁と振り逃げで一三塁となると、連続四球で押し出し。さらに、2回も一死満塁から暴投で得点が入る。これで、試合の主導権は完全に江戸川のものとなった。
そして4回は牽制死などもありながらも連続四球とバントに相手失策で、2死一三塁とすると、ここから船串君、星野君、春名君の3連打に振り逃げ、さらに内野失策も絡むと、一番に戻って宮久地君、矢浪君の連続二塁打もあって、結局この回打者13人で8連続を含む9点が入り試合の行方も決した。
大量点が入ってリードしても、江戸川の背番号10を着けた左腕高橋瑠君は、気持ちを切らすことなくきちっと投げて、5イニングで被安打3、与四球1で奪った三振は9個という内容で、文句のないものだった。初回こそ、連続安打でピンチを招きかかたものの、後続を思い切りのいい投球で抑えた。ストレートが走っていたのと、左腕独特のスクリュー気味の右打者の外へ逃げていくような球が効果的だった。
また、内野の動きも活発で、チーム全体としてもいい雰囲気だった。
玉川学園ナイン
江戸川の芝浩晃監督も会心の試合運びという感触だったのだろう。「こんな点差になるとは思ってもいませんでした。(玉川学園は)部員は少ないですけれども、選手個々はきちんと鍛えられているなという印象があったのですが…、最初の本塁打で勢いがつきましたね。前の試合も、結構打てていたのですが、(北澤君だけ)4タコでしたから、期するものがあったんじゃないでしょうか。高橋は、エースを予定していた選手がこのブロック予選は腰を痛めていて投げられないという状況なので、自分がやらなくてはという自覚がいい形で出たのでしょう。冬を超えて球威も増したし、成長してくれたと思います」と、攻守にいい形で仕上がっていることを実感していた。エースの怪我というアクシデントも、いい方向へ作用して、本大会を迎えられそうだ。
結果的には、完敗という形になってしまった玉川学園は、ぎりぎりの人数の中で何とか凌ごうとやりくりしていたが及ばなかった。
(文=手束仁)