試合レポート

香川西vs観音寺一

2012.07.26

ツキを呼び込んだスローカーブ

試合時間3時間11分の熱闘は、4対4で迎えた延長13回裏。香川西が1死2塁の好機から敵失で勝ち越し点を挙げ、サヨナラ勝ち。2008年以来、決勝の舞台へと駒を進めた。
観音寺一はこの試合、唯一のエラーが命取りになった。

 
サヨナラ劇を演出したのは、10回裏から三番手のピッチャーとしてマウンドを引き継いだ伊藤謙太(3年)。
球速80キロ台の緩いカーブを主体にしたピッチングで、観音寺第一の打線を翻弄。4回を1安打で切り抜ける。すると、13回裏は先頭打者として中前を放ち出塁。決勝のホームを踏んだ。

 
この試合でラッキーボーイ的な存在になった伊藤。今大会は3回戦の三豊工業戦で1/3回。準々決勝の小豆島戦では2/3回、マウンドに立っているが、ロングリリーフは予定になかったという。

 
緩急をつけたピッチングを伊藤は、「小学校の頃に覚えた投げ方。当時からあまり球にスピードが出なかったので…。(ロングリリーフの成功は)監督の指示で、1回1回をきっちり抑えた結果。バックを信じて、テンポ良く投げました」。決勝でもベンチを盛り上げ、試合の流れを変える活躍を誓った。

 
一方、伊藤の働きについて香川西の岩上監督は、「そんなに長い回を投げたことがない子。(延長で)送り出すときは、打たれたらしょうがないと腹をくくった。打たれなかったのはゲームの展開によるもの」とやや辛口。
ただ、ここに来て生まれたラッキーボーイの存在は、決勝に向け大きな弾みになったに違いない。

(文=和田雅幸)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.27

【京都】龍谷大平安、京都成章、北嵯峨などが2次戦進出戦に挑む<春季大会>

2024.04.27

【大阪】3回戦は28日に大阪桐蔭、履正社が登場、29日には上宮-関西創価など<春季大会>

2024.04.27

横浜に入学した「スーパー1年生5人衆」に注目せよ! 佐々木朗希二世、中学日本代表の二刀流など明日の慶應戦で活躍なるか!?

2024.04.27

【三重】津田学園-菰野、5年ぶりの決勝対決<春季県大会>

2024.04.27

【広島】広陵は瀬戸内と、広島商は崇徳と夏のシードをかけて激突<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!