鹿児島vs加治木工
エース・米満（鹿児島）
エースと４番の活躍で接戦制す・鹿児島
エースと４番、投打の柱が活躍した鹿児島が接戦をものにした。
初回、二死二塁のピンチを左翼手・松元祐介の好返球ホームタッチアウトでしのぐと、その裏、186㌢の４番・永江健の左越え二塁打で２点を先制した。その後、三、四、五、七回と三塁まで走者を進めて追加点の好機を再三作るも、拙攻が続いて生かせない。勝負は１点を争う緊迫した展開になった。
その展開をものにできたのは、165㌢の小柄なエース米満亮太の好投と、無失策の堅守だった。
制球の良さが持ち味の米満だが、３回戦の尚志館戦は５四死球と課題を残した。「下半身が使えず、手投げになっていた」尚志館戦を反省し、この日はしっかり下半身を使う投球を意識した。序盤、変化球が高めに抜ける傾向を感じ、勝負球は直球を選択。
４番・永江健（鹿児島）
中でも右打者の外角、左打者の内角低めの制球が抜群で、そこの出し入れで持ち味の「打たせて取る」投球が最後まで崩れなかった。
九回二死一三塁と一打同点のピンチの場面も、この日最も有効に使えた低めの直球で、４番から空振り三振を奪い、思わず会心のガッツポーズが出た。
今大会は「守備が安定している」と上之薗大悟監督。遊撃手・瀬脇優大を中心に、ここまで３試合無失策で投手を盛り立てている。「各打者の特徴を考えてポジショニングしてくれている。安心して投げられる」と米満も全幅の信頼を置く。
昨秋に続いて２大会連続の８強入り。更に上のステージに進むためには「１人１人の力が試される」と上之薗監督。「一戦一戦を大事に、自分らしい投球を心掛けたい」と米満は意気込みを語っていた。
(文＝政純一郎)
