伊万里農林vs三養基
力投する池田(伊万里農林)
最高のおくりもの 伊万里農林が初の九州大会出場を決める
大坪慎一監督は、この日が伊万里農林の監督として最後の大会となった。佐賀鹿島へと転勤することが決まったからだ。そんな大会で生徒たちが最高の結果を出してくれた。
準決勝、好投手濱口を擁する三養基を7−2と逆転で下し、初となる九州大会出場を決めた。
試合は、伊万里農林•エース池田が立ち上がりに三養基打線に捕まる。2回に4安打を集中され2点を先制される。
直後の3回、伊万里農林は2死満塁から内野安打、敵失で同点に追いつくと、4回には、三養基の2つの失策に盗塁を絡め逆転。
「外中心で踏み込まれて打たれていた。もっとインコースを突いていこう」と大坪監督の指示をうけ、「自分がしっかりしていなかったので気持ちを入れ直した」と強気にインコースを攻める投球で、3回以降は1安打しか許さず、四球で出した走者も併殺で打ち取るなど2回までとは別人のような投球をみせた。
すると打線も、この好投にこたえ7回に1点、9回には3点を追加しリードをひろげる。結局、池田は2回の2点以降、得点を許さず、9回98球を投げ被安打7、1四球で完投。
転勤する大坪監督へ最高のプレゼントとなる九州大会出場を決める勝利を届けた。
「最高のプレゼントですね」 と試合後のインタビューで伊万里農林•大坪慎一監督は笑顔にも、涙を浮かべそう応えた。
新チーム始動直後は、九州大会出場を決めるようなチームではなかったという。
だが、「選手たちがあきらめず、この一年自分たちに必要なものを考えやってきたことが、この結果につながった」と選手たちを称えた。
九州大会では指揮はとることはできないが、九州大会出場へ向けて「自分たちの力を強豪高相手に試してほしい。必ず夏につながってくる」とエールを送った。
(文=藤吉ミチオ)