桐蔭学園vs金沢
桐蔭学園、7回コールドで金沢を下す
今冬は例年より厳しい寒さが続き、まだ春の訪れはあまり感じられない。とくに北海道や東北、北陸の日本海側は大雪に見舞われた。 これは地球温暖化により北極圏の氷の一部が解けてユーラシア大陸に近づいたことでシベリア高気圧に寒気が入ったためだと言われている。温暖化が厳冬をもたらしたというのは何とも皮肉だ。
そして、今日は前日から降り続いた雨でグランドに水溜りができ、整備のために開始時刻が遅れたが、気温7.5℃、湿度96%、霧雨と肌寒さの中で試合は幕を開けた。
昨年の秋季大会では、ここ最近、急激に力をつけてきた立花学園に0対9と惨敗を喫した桐蔭学園。一方、地区予選で敗退し、県大会に進めなかった金沢。「厳しい冬」の間に、どれだけチーム力を高めることができたか、今シーズンの活躍を占う両校の初戦に注目した。
1回表、桐蔭学園は、4番小河のレフト前ヒットと連続四球による押し出しで1点を先制する。
続く2回、桐蔭学園はセンター前ヒットで一塁に出た先頭打者の斉藤をバントと進塁打で三塁に送ると、2番清水がライト前タイムリーヒットできっちりと本塁に還して追加点を入れる。
3回、桐蔭学園は斉藤投手が金沢打線を3者連続三振に仕留めた後、気温が8℃台に上がり寒さが緩んだ裏の攻撃で、7番菊池が左中間に2ベースを放ち、エラーで出たランナーを本塁に還す。序盤の各回、着実に1点ずつを取り、3対0とリードした。
中盤の4回~6回は、両校の投手が踏ん張り、共に相手を無得点に抑え、試合は終盤の7回に入る。金沢の攻撃を無得点に抑えた後の桐蔭学園の攻撃。3番佐藤、4番小河の連続ヒットとフォアボールで無死満塁のチャンスを迎える。ここで、6番森川のショートゴロの間に三塁ランナーが還り4点目、さらに一死、フォアボールでまた満塁となったところで9番嵩のショートへの内野安打で5点目が入る。
さらに二死満塁とチャンスが続き、ここで桐蔭学園は佐々木に代え、代打西田。カウント2ボールから鋭くバットを振り抜くと、大きな打球がライトに飛ぶ。風速5.1mの北風にも乗り、ボールはフェンスを軽々と越えた。 この満塁ホームランでさらに4点を追加して9対0となり、桐蔭学園のコールド勝ちとなった。
その直後、試合終了を待っていたかのように雨足が強くなり、グラウンドは、たちまち早春の雨に包まれた。
スコア的には幸先の良いスタートとみえる桐蔭学園も、打線に6人の左打者を揃えたが、左投手の攻略という明確な課題が見つかった初戦だったとも言えるだろう。金沢は序盤に攻めきれなかった場面が悔やまれた。
(文=気象予報士 松田 祥二郎)