志布志vs喜界
志布志3点目ホームイン
シード志布志、打線好調!
シード志布志は打線が好調で、14安打12得点を挙げて、離島の雄・喜界を圧倒した。
初回に先頭の立山翔大の右前打を皮切りに4連打、四球、犠飛、谷山和也の右前適時打、山下隼平のセーフティースクイズと打者一巡の猛攻で5点を挙げて主導権を握った。二回以降も攻撃の手を緩めなかった。
立山は4打数3安打、2番・江夏大亮は3二塁打で4打数3安打、3番・福永慎吾は2四球を選び2打数2安打、4番・宮地和沙は2打数2安打と上位4人で三回までに10安打を放っている。それもほとんどがセンターより右方向に打っている打球が圧倒的に多い。「練習から右方向に打つことを意識してやってきた。練習通りの打撃ができた」と宮地主将は胸を張る。好球必打を心掛け、各打者が自分のストライクゾーンを理解してしっかりフルスイングしている姿が印象的だった。
「志布志というチームは『初』に弱いところがある。だからきょうの初戦を全力でいって勝てたのが良かった」
塗木哲哉監督は言う。
昨春のチームも、前年秋に8強入りしてシード校として春に臨んだが、川内に敗れて初戦敗退だった。大きなカギを握る初戦、相手は難敵・喜界…志布志にとってはチームの真価が問われる初戦だったが、しっかりと練習でやってきたことが出し切れて、今後の戦いに手ごたえがつかめた。
初戦は南大隅にコールド勝ちした喜界だったが、まさかの五回コールド負け。久保正樹監督は「エースの英の調子次第と思っていたが、ここまで悪いのは予想外。投打にまるで良いところが出せなかった。完敗です」と肩を落とした。
2年生エースの英碧仁が10日ほど前の打撃練習で自打球が左足を直撃。骨折まではいかなかったが、痛みが引かないまま、大会を迎えた。南大隅戦は何とか無失点で切り抜けたが、故障が悪化しこの日は「体重を前に移せず、上体だけで投げていた」(英)。ボールに力が入らず、初回から連打を浴びて5失点。二回に6点目を失ったところで、久保にスイッチしたが、2番手以降の投手陣も踏ん張れず、大量失点を喫した。
「しっかり踏ん張れなくても低めにコントロールすることはできたはず。高めに浮いて打たれてしまった。3年生の先輩に申し訳ない」と英。「夏までにはもう1回走り込んで、この悔しさをリベンジしたい」と誓っていた。
(文=政純一郎)