習志野vs検見川
習志野・大野
新生・習志野。5回コールドで格の違いを見せ付ける
今日から関東大会出場をかけた秋季千葉県大会が開幕した。
千葉県のメイン球場である[stadium]千葉県野球場[/stadium]。
東日本大震災の影響により春夏は使用できなかったが、秋から使用するようになった。
[stadium]千葉県野球場[/stadium]の復活に待ち望んでいたファンは多かったのだろう。朝早くからチケット売り場には行列が出来ており、試合前から多くの人が来場した。[stadium]千葉県野球場[/stadium]で高校野球を見るのを待ち望んでいたようだった。第1試合は選手権ベスト8の習志野が検見川と対戦する。
試合は1回は静かな立ち上がりが両校無得点で迎えた2回表。
習志野は一死から5番三橋が中前安打。三橋は一塁に留まらなかった。一塁を蹴って、猛然と二塁へ向かう。不意を突かれた検見川のセンター成毛は送球が遅れ、間に合わずセーフとなる。普通ならば無理せず一塁に留まる当たり。しかし突破口を開くために二塁を狙った三橋の走塁は勇気ある走塁であった。習志野はチャンスを逃さず6番木村悠が右翼線への二塁打を打ち、先制する。さらに木村悠は三盗を敢行する。
検見川の捕手・増田はスローイングタイム1.9秒台を計測する虚権捕手。
1回表にも先頭打者を刺している。それでも走るということは投手・小崎の癖を見抜いたということ。完璧なスタートを切った木村悠。増田も素晴らしい送球を見せたが、間に合わずセーフとなる。
そして7番小山のショートゴロが飛んだ瞬間にスタート。ショート毛利は本塁へ投げることができず、木村悠はホームイン。足を絡めた攻撃で2点を先取する。
その後習志野打線は活気付き、3回には福山の適時打、5番三橋の2点適時打、7番小山の中越え三塁打、8番大野の左前適時打で一挙6点。
4回も3点を追加し、12対0と大きくリード。
習志野の先発は大野。背番号10を着けているが、経験は十分。5回を投げて2安打無四球6奪三振を奪う快投でゲームセット。習志野が順当に2回戦進出を決めた。
検見川・増田
振り返れば、2回のたったの2点だが、習志野撃破に燃える検見川にとって痛手の大きい失点だったかもしれない。
検見川のノックは素晴らしかった。和田監督が放つ強い打球に内野手が軽快に捌き、外野手の守備範囲、肩の強さも中堅県立としては高いレベルに到達しており、かなり鍛えられている印象が伺えた。そして扇の要である増田がスローイングタイム1.9秒台~2.0秒台を計測する肩の強さだけではなく、ベース上に投げられるコントロールの良さもある。守備力ならば今日見た6校の中でも高いレベルに到達していたと思う。ただ彼らは咄嗟の判断に対応することができなかった。
習志野の走塁は「まさか」であった。センターが送球に遅れたのは「まさか」の意識があり、積極的に駆け抜ける習志野の走塁に検見川ナインは対応できていなかった。彼らには「かもしれない」という気持ちがあれば、しっかりとした備えがあるかもしれない。
もちろん投手のレベルを差し引いて見なければならないが、先発の小崎も初回は三者凡退に凌いで、4番松山も打ちとって自分のリズムに乗りかかろうとしていた時に習志野の足攻は小崎のリズムを崩してしまったのかもしれない。
相手の野球をさせない。リズムを作らせない。速めに攻撃を仕掛けて試合の主導権を握っていくのが習志野野球。堅実に見える守備のちょっとした隙をついて点を積み重ねていく習志野野球は新チームになっても受け継がれている。
(文=編集部:河嶋宗一)