市川vs桂
市川 奥脇監督
昨年からの因縁の対決
昨年からの因縁の対決。今年は一回戦から勃発。桂高校と山梨市川高校の初戦が決まった時、少しでも山梨の高校野球が好きなマニアな方ならピンと来る組み合わせだったに違いない。
この両校、昨夏の予選でも対戦しており桂が4-3逃げ切っている。因縁なのはそれだけでは無い。桂 ・佐野監督、山梨市川・奥脇監督は山梨市川高校の先輩後輩という間柄で年齢も近い。佐野監督は1999年に母校山梨市川高校の正捕手として甲子園の土を踏んでおり教員生活を踏み出し始めたのも山梨市川高校。当時は部長として野球部に関わっていた。スター選手は不在でコツコツ繋ぎとランナーを溜めて最少失点で守り抜く山梨市川野球を母体として考えた場合に、奥脇監督は新しい流派、佐野監督は保守本流という言い方がしっくりくるのだろうか。
昼下がりの炎天下に始まった試合 最初に主導権を握ったのは山梨市川高校。小さな3年生エース、畑野君を支える2年生正捕手の杉山選手の左中間2ベースで2点先取。本来正捕手だが故障の関係で今大会は三塁を守る伴野主将に変わる大役の重圧をものともしない。
山梨市川高校の先発はエースの畑野投手 170cmの小柄な体ながらキレのある球を投げ込む。MAX130km前半、常時120km代後半ながら110km台のスライダーや90km代のカーブなどを交え緩急で勝負する投手。スピードガン表示は高くないものの見た目以上に速く見える球質。
桂高校の先発は広瀬投手。こちらの投手も球速的には畑野投手と同じレンジだが125km程度の速球がスタンドから見ると力を持っているのが不思議にわかる。他に持ち球はスライダーか。
桂 佐野監督
山梨市川高校は4回に赤池選手、斉藤選手のタイムリーで4-0とその差を広げる。
桂は4回、7回、8回と繋ぐ野球の真髄。ヒットで出たランナーをバントで送りヒットで返すというザ高校野球とも言える攻撃やエラーに絡めて4-3まで追い上げ9回へ。
今年も終盤にもつれる試合かと思いきや山梨市川高校が伴野主将の満塁からの2ベースタイムリーで2点、2年生ながら4番に座る期待の背番号6小倉選手のスクイズで更に1点で計7点。この回で一気に流れが山梨市川へ。結局、9回裏を畑野投手が完璧に抑え試合終了。
両チーム併せて失策1と引き締まった試合だったと思う。山梨市川は春 エラーから大量失点し負けた苦い経験が生きたのか、この日はエラー1だったものの春からは見違える様な守備力を披露した。2年生の台頭や伴野主将らのコンバートが良い方向に出たのだろうか。
山梨市川7、桂8と計15残塁の試合だった。たらればを言い出したら切りがないが、このランナーを生かしていれば山梨市川は序盤に試合を決めれたのかもしれないし、桂が逆に勝利していたのかもしれない。
昨年からの因縁の対決高校の次戦は都留高校。好投手が複数。今日以上に引き締まった試合を期待する
(文=編集部)