八幡浜vs松山聖陵
柔軟な打撃を見せる4番・岡崎豊幸(八幡浜)
“聖地・坊ちゃんでも躍動!八幡浜・完勝でベスト8へ!”
ちょうど1週間前の3月29日。
「ボールパーク」的な雰囲気が漂う[stadium]八幡浜,大洲地区総合運動公園野球場[/stadium]にて、三瓶を破り春の闘いをスタートさせた八幡浜。
その後、代表決定戦では川之石を終盤の集中打で突き放し県大会へと駒を進めた彼らは、この日も愛媛県高校野球の聖地・坊ちゃんスタジアムを「ボールパーク」に見立てた、のびのびとしたプレーを披露した。
好調を維持する打線は初回、4番・岡崎豊幸(3年)が柔軟な下半身と手首を連動させる得意のスイングでレフトフェンス直撃の2点タイムリー二塁打を放ったのに続き、7番・菊池大樹(3年)もセンターの頭を越える2点タイムリー二塁打。
自らを波に乗せるバッテリーの先制攻撃は、普段「たまたまです」が口癖の中岡隆児監督ですら「あれで初回から決めた感じになった。よくやってくれた」と賛辞を与える見事なものであった。
坊ちゃん初登場の菊池大樹(八幡浜)
かくして気分よくマウンドに立った菊池大は「試合前もっと荒れると思っていたが、ストライクがよく来ていた」と、松山聖陵・荷川取秀明監督も讃えるナイスピッチを展開する。
川之石戦では完投も3失点とやや調子を落としていた彼であったが、この日は7回で76球を投じて最速も137キロの3安打1四球7奪三振。
その切れ味はネット裏に詰め掛けたNPBスカウト陣にも思わずスピードガンを構えさせるほど。結局試合は7対0で7回コールド、点差通りの八幡浜、完勝であった。
それでも試合後は「ここから上が大事」と気を引き締めた中岡監督。
練習試合解禁初戦の3月12日に4対14と大敗した新田との準々決勝で「点を取られても打ち負けないようにする」得意の展開に持ち込み、「リード面での反省があった」岡崎が慎重に菊池をリードできれば、いよいよ愛媛の頂点が見えてきそうだ。
(文=寺下友徳)