銚子商vs 旭農
川口(銚子商業)
銚子商業がコールドで決勝進出
東部地区大会決勝戦を迎えた。昨日の肌寒い天候から一転、雲ひとつない快晴となった。風もなく、暖かさを感じる一日となった。
1回裏、銚子商は1番仲田がセンター前ヒット。2番滑川はセカンドゴロで一死二塁。3番小原は四球。4番川口はセカンドゴロ。一塁走者がフォースアウトになり、ニ死一、三塁。5番篠塚は四球で歩き、二死満塁。打者は6番海老。初球のスライダーを見送り、カウント1-0。2球目。旭農業バッテリーはインコースへ寄った。インコースに入るボールを海老が強振。打球はぐんぐん伸びていき、レフトスタンドへ。満塁本塁打で銚子商業が先制した。
2回裏、一死一塁から2番滑川の右中間を破るスリーベースで5点目。さらに3番小原の犠牲フライで1点を追加し、6対0。
4回裏、一死から9番江ヶ崎がセンター前ヒットで出塁。1番仲田の二塁打で、ランナーをニ、三塁に置くと、2番滑川の犠牲フライで1点を追加し、3番小原のライト前タイムリーで1点を入れて8対0と旭農業を突き放す。
なんとか反撃したい旭農業。5回表に一死から6番林が左中間を破る二塁打で得点圏にランナーを送る。
7番門脇はショートゴロでフォースアウトで、ニ死一塁。8番戸村は四球で、ランナーを貯めるも、9番鳥羽が打った打球はセカンドランナーへ直撃。アウトとなり、1点を返すことができなかった。そして7回表、三者凡退に終わりゲームセット。銚子商が決勝に進出した。
決勝に進出した銚子商。県立銚子戦では5対2と苦戦を強いられたが、成田北戦では17対1で圧勝し、旭農にはコールド勝ちと実力を発揮しつつある。先発の木内も県立銚子戦では5回2失点と不甲斐ない投球に終わったが、7回無失点に抑える好投。以前よりもストレートは走っており、コントロールも良く決まりテンポの良い投球を展開した。エースの小原を温存して決勝戦に進めたのは大きいだろう。
服部(旭農)
旭農は初回がすべてだった。ここまでエースとして素晴らしい働きをしてきた服部。旭農が銚子商に接戦を演じるには服部が最小失点に抑えることが最低条件であった。しかし今日の服部は慎重過ぎた。ストライクが取れていた外角ストレートが外れていた。そして海老の満塁ホームラン。今、振り返ってもインコースは危険だった。インコースを攻めるのならばもっと厳しく突くべきだったと思うが、当てれば押し出し死球という思いがあった分、中に入ったのかもしれない。あの投球は本当に惜しかった。結果的にコールド負けになったものの、無失策。内野手が実によい守りを見せていた。際どいゴロを慌てずに処理できており、球際が強くなった。
今までの旭農は個人的なイメージで申し訳ないが、試合出場出来れば良かった印象がある。しかしここ数年で急速的に力をつけてきた。まだ至らぬところはたくさんあるが、普通のプレーはできているし、何よりも彼は勝利に向かって全力でボールを追い、喰らいついていた。チームとしての形になりつつある。
彼らは試合が終わった後、制服に着替え準決勝2試合目を観戦していた。東部地区大会準決勝を見ていた彼らが何を学んでいるのか。そこで感じたことを冬の練習に活かし、来春は成長した姿を見せてもらいたい。
もう旭農は昔の旭農ではないのだ。
(文・撮影=河嶋 宗一)