霞ヶ浦vs甲府工
2番・森田(霞ヶ浦)
霞ヶ浦、思惑と違う乱戦ながら逃げ切り勝利
2時間50分近くを要した長い試合になってしまった。
打撃戦というか、やや乱戦気味の内容にもなってしまったが、前半に得点を重ねていた霞ヶ浦は貯金が効いて逃げ切った。
霞ヶ浦は初回、四番笹島君の中前打で先制すると、2回は2死二三塁から海老原君の2点タイムリーとなる右前打に、二番森田君鎖線左線二塁打で続き、飯田君も森田君を返してこの回4点。
直後に3点を返されたものの、3回には1死一三塁から高木君のスクイズ(記録は安打)で追加。4回は、この回途中に遊撃からリリーフのマウンドに登っていた三浦君に対して、五番吾妻君が完璧に捉えた右翼への2ランで突き放す。5回も、この日、自身3本目となった森田君の二塁打でリードを広げた。
森田君は県大会では不調だったが、高橋祐二監督からは、「この大会はお前がキーマンになるんだ」と激励されていたというが、この日は4打数4安打2四球3二塁打で2打点4得点。期待に応えて十分にあまりある活躍だった。
霞ヶ浦は8回にも吾妻君、岡田君の二塁打に高木君の安打と石橋君の巧みなセーフティースクイズなどで7点差となる11点目が入った。
霞ヶ浦の理想としては、ここですんなりとコールドゲームという形にしたかったところであろうが、そこは甲府工打線も粘った。
3安打に失策も絡んで8回2点、9回も伊藤涼君の2ランが飛び出した。石橋君もやや勝ち急いだところがあったのかもしれない。
それでも、その後を何とか抑えてしのぎ切った。
3回裏、ホームランを放った5番・渡辺祥(甲府工)
霞ヶ浦のゲームプランとしては先発伊藤雄君を5回までは持たせて、以降を石橋君という予定だったのだが、伊藤雄君が思いのほか早く摑まってしまったのは誤算だった。
それでも、その分石橋君はよくこらえたともいえよう。
ただ、今秋の県大会はどちらかというと守り勝ってきたチームだけに、こうしたスコアの試合は予定していなかったというのは高橋監督の正直な気持ちであろうか。
もっとも、活発化した打線に関しては、
「打者に対して少し待ち方を変える指示をしたんです。それが、功を奏したのではないかと思います。投手は、相手打線が何となく左投手に合いそうな気はしていましたから、勝つとしたら7―5くらいかなという予測は立てていたんですけれど、打線はそれ以上点を取ってくれました」と高橋監督は、この試合に限っては打っていかなくてはいけないだろうという予測は当たった形になった。
甲府工はベテラン原初也監督勇退を受けて石合不二夫監督が就任して早々に秋季県大会優勝と結果を出した。
甲府工の伝統をしっかりと引き継いでの関東大会進出だった。
3回の渡辺祥君のソロアーチに9回の伊藤涼君の2ランなど打線の爆発力は素晴らしかった。
(文・撮影=手束 仁)