関西vs総合技術
堅田(関西)
肌寒さを吹き飛ばす左腕の投げ合い
3回裏、関西の攻撃、2死三塁。
二塁打で出塁した関泰典を三塁に置き、打順は2番・妹島正明。
総合技術の1年生左腕・伊田有希が投じた2球目を妹島が、まさかのセーフティースクイズ。
これが絶妙に三塁手前に転がり、関がホームイン。さらに妹島もチーム屈指の快足を生かし、内野安打とした。
終わってみれば、これが、唯一の得点となり、決勝点となった。
それだけ、関西・堅田裕太、総合技術・伊田の両左腕の気迫溢れるピッチング見応えがあった。
小雨交じりで肌寒さを感じる浜山球場の観客も回を増すごとに次第に熱くなっていたのではないか。
背番号11を背負う総合技術の1年生左腕・伊田は試合後、開口一番「踏ん張りきれなくて申し訳ない」といいながらも「打たれると思って、気持ちを全部出した」と強気にインコースを突く攻め、気持ちの入ったピッチングは、みている人に十分、いや、十二分に伝わってきたはず
「勝ち上がってくることで、ストレートとスライダーのコンビネーションがよくなり、自信がつきました。次は必ずリベンジします」という伊田。挽回を期す1年生左腕は次のステージに向け、更なる飛躍を誓った。
伊田(総合技術)
「1点で苦しい試合だったけれど、なんかヘンな安心感がありました」
関西の江浦滋泰監督は試合後、このようなコメントを口にした。
それだけ、エースの堅田に対する信頼感があるのだろう。
敗れた総合技術の主将・重舎塁も「堅田君は、今大会ナンバーワンと言われるだけあって、真っすぐも変化球のキレも自分がみてきた中で一番凄かった。特にピンチになればなるほど強くなる」と舌を巻いた。
「ストレートとスライダーがよかった。点数をつけるなら100点です(堅田)」と本人も手応えを感じているようだ。
この試合、被安打4、奪三振8、四死球0。これで2試合連続完封となる。1回戦の堅田裕太、水原浩登のリレーで完封(5回)を含め、今大会の関西は23イニング無失点となった。
「岡山大会の決勝でもやっていますが、明日は倒しに行きます」と岡山県同士の頂上決戦に向け、エースの言葉は力強かった。