岡山学芸館vs八頭
岡山学芸館 海野敦司投手
7種の変化球、トルネード…。岡山学芸館の海野は多彩な顔を持つ
秋の中国大会は12年ぶり出場。岡山県3位校ながら、岡山学芸館が総合力の高さを見せつけた。
先発の海野敦司投手(2年)は旧チームからエース。夏のベスト4以降、球威が増した。
興南・島袋洋奨の右腕版のようなフォーム。ゆっくり足をあげ、ややトルネード気味に体をひねり、力いっぱいボールを放つ。
「ボールの出所をぎりぎりまで隠したい」と思い、今年の春から夏にかけてフォームを改造したそうだ。
繊細な指先を持つ。変化球は3種類のスライダー、カーブ、チェンジアップ、カットボール、SFFを投げる。
今日は走者を背負うと、捕手のサインに首を振る仕草が目立った。
「ストレートのコントロールが良くなかったし、ゆるいボールで打ち捕りたかったから」と、自己分析。
理想の投手像は「もっと自分で考えて投げること。だけど、自分が抑えなきゃという気持ちが強くなってしまうのは課題です」。
“ストレートが速くなった”と、周囲から言われるようになったが、スピード自体は最速135キロのまま。
「キレや伸びが良くなったのかもしれません。これからもストレートばっかりに目がいかないように、コントロール重視で投げていきたいです」。
海野の終始落ち着いた語り口が印象的だった。
「立ち上がりは心配だったけど、2回以降は海野本来のピッチングで安心して見ていられた」。こう話すのは山崎慶一監督。
当時野球では無名だった岡山城東を甲子園へ5度も導いた名将だ。
県内屈指の進学校から、06年に岡山学芸館の監督に就任。
同校は01年センバツを最後に出場がなく、山崎監督の手腕に大きな期待を寄せている。
(文=矢島 彩)