高松北vs観音寺一
佐々木亮馬投手(高松北1年)
試合の中で成長した高松北、観音寺一との接戦を制す!
序盤からお互いに点の取り合いで始まった公立校同士の対戦は、その後も2回・5回裏に観音寺一が勝ち越せば、3回・6回表に高松北が追い付くといったように、絵に描いたような接戦が繰り広げられた。
その混戦を制したのは「観音寺一とは実力差があるので、2点ビハインドで後半勝負というプランを描いていた」(多田慎監督)高松北であった。
8回には1死2塁から7番・山地宏亮(1年)のタイムリー2塁打でこの試合はじめてのリードを奪うと、4対4で迎えた土壇場の9回2死2塁からは、ここまで無安打だった4番・畑本賢吾(2年)が、力投を続ける観音寺一のエース・田中大貴(2年)が投じた外角高めの直球をレフトへ流し打ち。
これが試合を決める決勝打となったのである。
試合後の多田監督はこの2人以外にも、6回3分の2を3失点と「3回からは四死球がなくなって」試合を落ち着かせた左腕の佐々木亮馬(1年)や、
センターでの的確なポジショニングと3回にノーサインで3盗を決め、同点の契機を作った「自分で考えて野球ができるようになった」2番・樋口達哉(2年)にも最上級の評価を与えるなど満面の笑みを隠せない様子であった。
それもそうだろう。最速141キロ左腕の奴賀康弘などの主力が抜け、わずか19人の選手になったにもかかわらず、今春のベスト4、今夏のベスト8に続く3季連続ベスト8に進出できた理由は、紛れもなく試合中に確かな成長を残した選手たちの力によるものだったのだから。
(文=寺下 友徳)