高知商vs伊野商
谷岡勇進投手(高知商2年)
高知商、序盤苦しむも貫禄のコールド勝ち!
昭和55年の第52回大会で悲願の全国制覇を成し遂げた高知商。一方、昭和60年(1985年)の第57回大会にて初出場初優勝の快挙を成し遂げた伊野商。一方、共にセンバツでの日本一を経験している名門同士の対戦となった秋季大会1回戦最後のカードは、実力上位の高知商が序盤に苦しむ展開で推移する。
もちろん重い直球と縦のスライダーを低めに集めた伊野商1年生右腕・正岡嗣紹のピッチングは十分評価に値するもののであったが、1~3回まで毎回走者を出しながらあと一本が出ないもどかしい内容は、試合巧者の彼ららしからぬものであった。
しかしその中でも正岡に対し少しでも球数を投げさせることに努めた高知商は5回裏、1死2塁から2番・池内裕太(2年)、3番・高橋敬司(2年)の連続長打と4番・森木風太(2年)の犠牲フライでついに3点の先制に成功すると、6回にも1点を追加。7回には100球を超えて球威の落ちた正岡を捕らえ、一挙4点を奪ってコールド勝ちを収めたのである。
一方、高知商は投げても背番号「12」の谷岡勇進(2年)がツーシーム系の変化球を交えた低めを丁寧に突く投球で、7回を自らの暴投による1失点のみに抑える好投。終わってみればエースの高橋一成(2年)をベンチにおくなど余裕を持った入りで臨んだ高知商が、貫禄勝ちを収めたゲームとなった。
(文=寺下 友徳)