試合レポート

北大津vs彦根東

2010.07.28

2010年07月28日　彦根球場　

北大津vs彦根東

2010年夏の大会　第92回滋賀大会決勝

少ないチャンスを生かした粘りの野球で北大津が、彦根東の古豪復活の夢を打ち砕く

62年ぶり5回目の優勝をめざす彦根東は、過去4回滋賀大会を制していますが、以前は滋賀と京都から1代表しか、夏の甲子園に出場できなかったため、決勝は甲子園初出場をかけた戦いでした。その彦根東ナインの想いが、いきなり1回表に表れます。

北大津の先発2年・右オーバースローの10番・岡本拓也を2アウトからとらえ、ライト前ヒットで出塁の3番・竹内を1塁において、4番・平井がライトオーバーのタイムリー3ベース。彦根東が先制点を挙げます。

一方、彦根東の先発3年生サウスポー・今井義樹は、タメを作って少し止めてから投げる変則モーションで、1回をヒット1本に抑えますが、2回に北大津打線に揺さぶられます。ショート内野安打の5番・北野とフォアボールの6番・中村を7番・西野がきっちりバントで送り、1アウト2・3塁にすると、8番・村井と9番・岡本が、2者連続のスクイズを決め、北大津が小技で2対1と逆転に成功します。

その後、彦根東はサウスポーエース・今井が北大津打線を3回～6回までノーヒットに抑え、打線も北大津の2年生ピッチャー・岡本から7回までに7本のヒットを放ちます。

しかし、あと一本が出ず、同点に追いつくことができません。1点差のこう着状態を破ったのは、エラーでした。7回裏、1アウトから7番・西野が左中間に弾き返し、好走塁で2ベースにすると、8番・村井はランナーを進めるバッティングでセカンドゴロ。2アウトながらランナーを3塁へ。ここでバッターは、2回に逆転のスクイズを決めた9番・岡本。岡本のサードゴロがタイムリーエラーを誘い、北大津が貴重な追加点。3対1とリードを広げます。

その直後の7回表、2点を追う彦根東も、3番・竹内のセカンド内野安打と4番・平井のレフト前ヒットで、ノーアウト1・3塁の同点に追いつくチャンスを作りますが、後続がサード・ファールフライと4→6→3のダブルプレー。9回表にも先頭のピンチヒッター田中がセンター前ヒットで出塁しますが、またしても4→6→3のダブルプレー。

結局、10本のヒットを打ちながら、チャンス生かせなかった彦根東に対し、4本のヒットに抑えられながらも少ないチャンスを生かし、ノーエラーの堅い守りで2年生ピッチャー岡本の完投を支えた北大津が、6年ぶり2回目の優勝と夏の甲子園出場を決めました。

試合後、「苦しみながら決勝戦を勝ち抜いたことは、甲子園の勝利につながります」と語った北大津の宮崎裕也(ヒロヤ)監督。初めて甲子園に出場した第86回大会では、東北(宮城)に13対0で敗れただけに、北大津は彦根東ナインの想いも受け継ぎ、甲子園で初の勝利をめざします。

（文＝田村正浩）

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