富士宮西vs沼津東
2戦連続無失点の富士宮西、諏訪部守投手
監督も最後の夏に挑む
富士宮西の坪内一哲監督は、60歳。来年3月で定年退職が決まっている。つまり監督にとっても、最後の夏なのだ。
1979年夏、87年春に富士高を甲子園に導いた実績がある。22年前に富士宮西へ転任し、06年夏に優勝候補の島田商を破るなど、夏の本領発揮ぶりが恐れられている。
富士も富士宮西も、ごく普通の進学校だ。ところが練習は厳しい。例えばダウンのランニングで列が乱れたりすると、きれいになるまで走らせる。真夏の炎天下でも心の乱れが整うまで、納得できるまで続く。
昨年、県の育成功労者賞を受賞。引退した元指導者の受賞が目立つ中、現役は坪内監督を含め15人(49人中)しか選ばれていない。さらに、夏の甲子園で行われる表彰式出席者8人にも選出された。表彰式はほんの数分間。それでも多くの教え子や、その家族たちが静岡から自家用車などで駆けつけていた。
この日の2回戦は、地元の富士球場のゲーム。試合後も監督への挨拶ラッシュが止まなかった。わざわざ茨城から日帰りで来た卒業生もいた。坪内監督は「ベンチに入れなかった子が試合や練習に来てくれるのがうれしい」と、笑顔を絶やさない。
投の立役者は背番号10番の諏訪部守将投手(2年)。167センチ、60キロの小柄な左サイドスローだ。点差が開いても、一球入魂と言わんばかりのピッチングを披露。毎回3アウトになると、一目散にベンチへ走っていく。そこには坪内監督が立っているのだ。
3回戦の相手はシード校の三島。春の県大会でベスト4に入った強豪だ。富士宮西は昨秋の東部地区予選で対決し、2-6で負けている。「もっと監督とやりたい。絶対勝ちます」と、諏訪部守は白星を約束した。
(文=矢島 彩)
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沼津東 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||||||
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富士宮西 | 4 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | X | 8 |
沼津東:鈴木健、岡-勝又健 富士宮西:諏訪部守-小島
本塁打=吉野(富) 二塁打=吉野2、田原(富)