試合レポート

福知山成美vs京都外大西

2009.05.15

2009年05月16日 わかさスタジアム

福知山成美vs京都外大西

2009年 京都府春季府大会 準決勝

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今井(福知山成美)が大活躍

福知山成美、接戦を制し決勝進出!

 新チーム結成時から前評判が高かったチーム同士が直接対決。それをうかがわせる白熱したゲーム展開となった。

 1回表、先攻の京都外大西は二者が四球で出塁するも、ともに盗塁死してしまう。無駄な攻めという見方もあるが、それを阻止した福知山成美の捕手・福本のスローイングも見事である。初回から能力がぶつかり合った。
 その裏、今度は福知山成美の攻撃。先頭の桑原が四球で出塁すると、2番・今井が右中間を破る適時打を放ち、目の覚めるような速攻で1点を先制した。3番・杉本四球のあと、4番・深瀬の遊撃ゴロの間に2点目。福知山成美が、幸先よくスタートを切った。

 2回表、京都外大西が反撃。先頭の斉藤が一塁手の失策で出塁、1死後、6番・石原は右翼前安打、7番・井上隼が四球で満塁とチャンスをつかんだ。しかし、ここで京都外大西ベンチは8番・立脇にスクイズを指示。これが投手前へと転がってしまう。本塁封殺の後、三走・斉藤のスライディングが、福知山成美の捕手・福本の足に引っかかってしまい、これが妨害と判断され。好機は潰えた。

 このプレーに対し、京都外大西は抗議に出たが、認められず。反撃に出た中での、併殺プレーで、京都外大西は元気をなくしてしまう。

 2回裏、そんな京都外大西を尻目に、福知山成美はまたも2番・今井が右翼を超える適時三塁打を放ち、1点を追加。流れを完全にもののした。

 ただ、ここからは京都外大西の二番手・中村が踏ん張り、こう着状態に入る。福知山成美の攻撃を5回まで0点に抑えた。一方で福知山成美の投手陣も先発した竹中、4回から登板した尾野が、隙を見せずに、相手に反撃を許さなかった。

 そんな中で、6回裏、試合が動く。1死から先頭の桑原が遊撃の内野安打で出塁、2番・今井が左翼前安打でつなぐと、3番・杉本が右翼線に適時打を放ち、2点を追加したのである。

 本来なら、ここで試合は決まってしまうものだが、京都外大西は、これでは引き下がらなかった。6回表、四死球などで二死・二,三塁の好機を作ると、1番・中川が、左翼線に適時打を落として、2点をもぎ取った。粘りを見せ始めたのだ。

 そのあと、1点ずつを取り合って迎えた9回表、京都外大西は二死から1番・中川が中前安打で出塁、2番・金瀬戸は一塁ゴロを放ち、万事休すかと思われたが、このなんでもない一塁ゴロを福知山成美守備陣がミス。一気に流れが変わる。すると、3番・辻が右翼線へ適時二塁打で1点。さらに4番・斉藤が中前安打を放ち、2者が生還。土壇場で追いついたのだ。ミスに乗じての同点劇は、2回表のスクイズ失敗での重たい流れを払拭するものであった。

 しかし、ここで、福知山成美ベンチは3番手の柿本に替えて、センバツでも登板機会のあった、香山を投入。流れを食い止めにかかる。そして、これが功を奏し、後続を三振に斬って、ミスからの流れを何とか止めた。

 すると9回裏、先頭の田嶋が右翼前安打で出塁、犠打で二進、1番・桑原四球のあと、2番・途中出場の古賀が右中間を破る適時打を放ち、これがサヨナラとなった。福知山成美が粘る京都外大西を退ける白熱したゲームだった。

 それにしても、センバツ帰りの福知山成美打線は活発だ。センバツで上打線を打った主力が下位打線になり、今春から新戦力1番・桑原、2番・今井が大活躍。打線に一層の破壊力を増した形だ。センバツでは点を取れずに負けただが、その問題点をきっちり修正してきている。投手陣の方では長岡頼みから脱却するために、この日は4投手が登板。明るい兆しを見せた。

 一方の京都外大西は、2回表のスクイズ失敗が最後まで尾を引いた。何とか同点まで追いついた粘りは見事だったものの、福知山成美打線を抑え切れなかった投手陣は大きな課題だろう。好敵手相手に、投手を温存したという見方もあるが、果たして夏にどういう出方で来るか、楽しみである。


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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