試合レポート

郡山vs香芝

2009.04.28

2009年04月29日　橿原営球場

郡山vs香芝

2009年春の大会　奈良県春季県大会　2回戦

好投をみせた途中登板の大江（郡山）

郡山、逆転で3回戦進出！！

郡山と香芝の公立校同士の対決は、序盤の劣勢をひっくり返した郡山が１１－４でコールド勝ちした。得点差こそ離れたものの、実に見ごたえのあるゲームだった。
試合は開始早々から、香芝の勇気を持ったプレーが試合を動かした。

　1回裏、香芝は先頭・中島が左翼前安打で出塁、ここで、おおよそが犠打と思われた場面で香芝・安井浩監督はバントエンドランを敢行。これが見事に成功し、一走・中島は三塁を陥れた。1死・二塁ではなく、三塁という好機を作ったのだ。そして、3番・岩井がきっちり中堅への犠牲フライを放ち、1点を先制。挑戦者・香芝が向かっていくんだぞ、というような勇気ある攻撃だった。

即座に同点に追いつかれるも、香芝は勇気を持って果敢に攻める。２回裏、二死から、7番・白浜が四球で出塁、濱野が右翼前安打で続くと、9番・木村は初球を打って、中前安打。

香芝は2回裏、中嶋のタイムリースリーベースで3点を返す。

　郡山の先発・児玉に息をつく暇を与えない積極的な攻撃である。そして、満塁のこの好機で1番の中島は、カウント１－３から四球を求めずに、積極的に振りに行き、走者一掃の適時三塁打を放った。3強の一角・郡山に対して、チャレンジャー精神を前面に押し出した戦いである。

しかし、郡山はあわてなかった。名将・森本監督は、先発の児玉を替え、エースの大江を投入。流れを止めにかかった。大江は、2回裏のピンチを乗り切ると、3回裏は三者凡退という最高の流れを作って見せたのだ。さすがは百戦錬磨のベテラン・森本監督の采配である。

　4回表、郡山が反撃開始。先頭の桑原が二塁打で出塁すると、7番・福本の二塁ゴロを、香芝守備陣がミス。これで、1点が転がり込むと、8番・染川が右翼前安打で好機を拡大、9番・橘、1番・廣長、2番・福岡の3連続タイムリーで逆転に成功した。3番・大杉四球のあと、4番・大江も適時打を放ち、計6得点。相手のミスから畳みかける見事な攻撃で、試合をひっくり返したのだ。

　さらに、5回表には福本の二塁打で好機を作ると、足を絡めて2点を追加。8回にも福岡・大杉の連打などで2点。打つだけではない、高い得点能力を見せつけ、大量11得点を奪った。

序盤は香芝ペースの試合だった。そこには、チーム戦術としての見事な試合運びがあり、戦術を実行する勇気があった。そして郡山は、劣勢を跳ね返すエース・大江の勝負所を心得たピッチング、好機に畳みかけた攻撃陣、見事な足攻。挑戦者とそれを受けた者の、見ごたえのあるゲームだった。

（文＝氏原英明）

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