「世界の代打男」高井保弘氏の母校・今治西高校OBは?
春夏合わせて27回(春14回、夏13回)の全国大会出場を誇る強豪校・今治西
12月13日、阪急で活躍した高井保弘氏が亡くなった。高井氏は「世界の代打男」の愛称があり、代打本塁打27本は今も日本記録。そして世界記録でもある。また、1974年のオールスターゲームでは、史上初となる代打逆転サヨナラ本塁打を放った。オールスターゲームでの代打サヨナラ本塁打は以降生まれていない。
このように代打としての印象が強いが、1975年から指名打者制度が採用されたこともあり、1977年から1979年までの3年間は規定打席にも到達。1978年、1979年はともに打率3割を超えており、主力打者としてチームに貢献している。代打で結果を残し、レギュラーを勝ち取ったのである。
そんな高井氏は愛媛県の今治西高校出身だ。今治西高校は春夏合わせて27回(春14回、夏13回)の全国大会出場を誇る強豪校。近年では2015年夏の甲子園に出場をはたしている。
OB選手に目を向けると、投手では藤本修二(南海他)と藤井秀悟(ヤクルト他)のふたりが実績を残している。藤本は1982年ドラフト5位で南海に入団。2年目の1984年に31試合に登板し162回を投げ、7勝6敗、防御率4.72の成績を残す。時代が違うとはいえ、高卒2年目から162回も投げていることから期待値の高さがうかがえる。
1986年から1988年まで3年連続で2ケタ勝利を記録するなど、先発ローテーションの一角を担う。その後は阪神、西武と渡り歩き通算53勝をマークしている。
藤井は早稲田大学を経て、1999年ドラフト2位でヤクルトへと入団。2001年には14勝をマークし優勝に貢献した。日本ハム、巨人、DeNAと合計4球団で通算83勝を挙げた左腕だ。
現役では熊代聖人(西武)が同校唯一のOBとなる。熊代は日産自動車、王子製紙を経て2010年ドラフト6位で西武へと入団。これまでに規定打席への到達はないが、明るいキャラクターでチームを引っ張っている。
高井氏以降、同校出身OBは投手の活躍者が多く、野手から確固たる実績を残した選手は出ていない。唯一の現役OBである熊代は高井氏同様に控えから、のし上がることができるだろうか。今後の飛躍に期待したい。
(記事=勝田 聡)
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