News

熊本工業における唯一のNPB現役プレーヤー山口翔

2019.06.03

 5月30日、首位を走る広島にまたひとり新星が誕生した。高卒2年目の山口翔である。一軍デビューを果たしてから、ここまで3試合に登板していたがすべて中継ぎ。この日が初の先発マウンドだった。

 140キロ台後半のストレート、カーブ、スライダー、フォークと持ち玉は極めてオーソドックスの本格派。しかし、ヤクルト打線に的を絞らせず7回2死から同郷の村上宗隆に安打を許すまでノーヒットピッチングを披露した。結局、7回無失点、被安打1、奪三振8、与四球1とほぼ完璧な初先発だったと言えるだろう。

 翌日に登録を抹消されなかったことからもわかるとおり、今後も一軍に帯同し先発起用もありそうだ。

川上哲治、前田智徳らを輩出

熊本工業における唯一のNPB現役プレーヤー山口翔 | 高校野球ドットコム
熊本工業時代の山口翔

 そんな山口は名門・[team]熊本工[/team]業高校出身である。高校時代は3年時に選抜高校野球大会に出場。1回戦で智辯学園高校に敗れている。全国大会での実績はこの1度のみ。しかし、制球にばらつきはあるものの、最速150キロを超えるストレートが注目されていた好素材である。ドラフト2位で指名されたことからも評価の高さはよくわかる。

 熊本工業高校は川上哲治伊東勤山森雅文緒方耕一前田智徳荒木雅博など数々の名選手を輩出してきた。しかし、NPBで現役としてプレーしているのは山口ただひとり。後輩がドラフト指名されるまでは、名門校の看板をひとりで背負っていくことになる。

 また、これまでNPBで活躍してきたOBたちの名前を見ても、同校OBは野手のほうが好成績を残している。投手では楽天などで109試合に登板した松本輝、ロッテと横浜で通算93試合に登板している永野吉成の名前が挙がるくらい。錚々たる野手のメンバーと比べてしまうと見劣りしてしまう。

 山口には熊本工業高校の歴史をつなぎ、そして投手として実績を残すことができるだろうか。

【熊本工業高校・主なOB】

<野手>

川上哲治(巨人)

吉原正喜(巨人)

後藤次男(大阪)

伊東勤(西武)

緒方耕一(巨人)

井上真二(巨人)

山森雅文(オリックス)

前田智徳(広島)

荒木雅博(中日)

藤村大介(巨人)

<投手>

永野吉成(横浜)

松本輝(楽天)

山口翔(広島)※

※は現役

あわせて読みたい!
149キロ右腕・山口翔(熊本工)の夏へ向けての課題
熊本工業高等学校 山口 翔選手「フォームと速球のこだわりは誰にも負けない」

文=勝田聡

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.30

【春季栃木県大会】夏への布石が着々と成果を挙げた! 文星芸大附が堅い守備で完封勝利!ドラフト候補・堀江は最速146キロをマーク

2024.04.30

大阪大などに卒業生を輩出する進学校・三国丘  文武両道を地で行く公立校は打倒・強豪私学へ「何かしてやりたい」

2024.04.30

【北海道】昨秋優勝の旭川実と春季連覇中の旭川明成が初戦で激突!<春季全道大会支部予選組み合わせ>

2024.04.30

【岩手】宮古、高田、久慈、久慈東が県大会出場へ<春季地区予選>

2024.04.30

【春季愛知県大会】享栄がまとまりの良さを見せて、豊川に完封勝利で決勝進出

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【岡山】関西が創志学園に0封勝ちして4強入り<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける