チームの変革、躍進を支えるマネージャー!都立杉並(東京)頑張るマネージャー
都立杉並野球部の過去最高成績は西東京5回戦。都立杉並野球部の凄いところは何といっても、都立高校の中では恵まれた環境で、都心ながらレフト95m以上・センター100m(右中間は115m)・ライト80mの野球部専用グラウンドがあるところだ。都立杉並野球部は、この恵まれた環境を活かして熱意と意欲をもって取り組んでいる。平成26年より新体制となり変革を遂げ、躍進を続けている。そんな野球部を支えているマネージャーにお話を伺った。
お手製のマネージャー通信でチームを盛り上げる!
ノックの補助をする中村ルミさん
都立杉並野球部の25名の部員を支えるマネージャーは、加藤茉紘さん(3年生)、北原花奈さん(3年生)、中村ルミさん(3年生)、早坂采子さん(2年生)の4名である。彼女達は日頃から選手が少しでも多く練習出来るようにと心掛けて活動をこなしている。
マネージャーの主な仕事は、練習試合でのアナウンスとスコア、ジャグ作り、冬の練習時の補食作り、テープボール作り、ボール磨きや身の回りの掃除である。さらに、彼女達はマネージャー通信の発行も行っている。このマネージャー通信の内容が、驚くほど凝っている。
毎号2人ずつ選手の紹介をしたり、誕生月の選手のお祝いや、その時期に関する特集をしている。例えば、バレンタインの時期のマネージャー通信には、チョコレートに含まれるカカオの成分について特集をするなど、選手のためになる情報がたくさん掲載されている。毎号非常に面白いものであった。
「マネージャー同士の仲の良さはどこにも負けません!」と話す彼女達。そんな彼女達がマネージャーの活動の中で1番楽しいと話したのが、試合の際ベンチでスコアを書いている時。部員達のベンチでの盛り上がりを間近で感じることが出来るからだそうだ。
マネージャーあるあると言えば、柔軟剤の匂いでどの部員の衣類か分かる事。日頃から選手達と近くで接しているマネージャーならではだ。また、選手達が無邪気に笑いながら話しかけてくれる時には思わず胸キュンしてしまうそうだ。
マネージャーである彼女達が特に印象に残っていると話してくれた試合が、2018年7月13日に[stadium]ダイワハウススタジアム八王子[/stadium]で行われた、夏の大会西東京予選3回戦の日大三高戦である。先輩達の最後の試合になったこの試合、都立杉並は強豪である日大三高より多くのヒットを放ち、さらには本塁打を放つなど、西東京の横綱を相手に一時はリードを奪うなど、接戦を演じた。惜しくも敗れてしまったが、先輩達は彼女達にとっても憧れであり、心から尊敬できる存在だという。
[page_break: マネージャーが選手を動かしていく野球部!]マネージャーが選手を動かしていく野球部!
左から北原花奈さん、加藤茉紘さん、中村ルミさん、早坂采子さん
ここからは加藤茉紘さん(3年生)にお話を伺った。
加藤さんは中学時代、民舞和太鼓部に所属していた。野球とは遠いようにも思えるが、そんな加藤さんが都立杉並野球部のマネージャーになったきっかけは、友達に誘われて野球部の見学に来たことだった。そこで一生懸命に頑張っている先輩達を見て、「私もここで頑張りたいと思った。」という。
マネージャーとなり活動を行うようになったことで、部活だけでなく私生活でも先を見越して行動することが出来るようになったという。「きっとマネージャーになっていなければ、時間を気にせずにだらけた生活をしていたかも(笑)」と笑う。
また、マネージャーの活動の中で嬉しかったことは、合同練習などで他校のマネージャーとも仲良くなれたことだという。
加藤さんは部活だけでなく、学校生活の中でも野球部の部員といることが多いそう。そんな選手や監督も「今まで一緒にやってきた仲間」、「部員であり、選手1人1人を気にかけてくれるお母さん的存在」と話し、厚く信頼されている様子だった。
この春3年生に進級した加藤さん。しかし、まだまだこれからというように、「部員から頼られる笑顔の絶えないマネージャーになりたいです!」と話してくれた。
加藤さんの思うマネージャーとは「裏方の存在」。
最後にはマネージャーの彼女達から選手に向けて「ボーっと生きてんじゃねーよ!(笑)」と力強いコメントをくれた。もちろんこのコメントにも真意がある。彼女達にとって選手は笑顔を交わしながら遠慮なく何でも話せる、言い合える存在。そんな彼女達ならではのコメントなのかもしれない。
都立杉並野球部の目標は「東京制覇」。この目標に向かい変革、躍進を続ける野球部の活躍に期待が高まる。「チームのお母さん的存在」である4名のマネージャー達の成長も楽しみなところだ。
文=編集部