西東京決勝!早稲田実業vs東海大菅生の勝負のポイントを徹底解説!
本日決勝戦!
30日、西東京大会決勝を迎えた。2年ぶり出場を目指す早稲田実業と4年連続決勝進出した東海大菅生との一戦だ。決勝戦の見どころを紹介したい。
勝てるチームは、大事な試合で底力を発揮できるチームだが、早稲田実業はまさにそれを体現したチームだ。高校通算107号の清宮幸太郎、野村大樹というタレントがいて、それぞれの選手たちの能力の平均値も高いが、西東京でダントツでトップのチームかといえばどうだろうか。
選手の能力値では早稲田実業に並ぶチームは多くあり、そして早稲田実業より上回るチームは西東京には存在する。それでも早稲田実業が勝てるのはここ一番の粘り強さ、試合運びの巧さに尽きるだろう。そして選手たちの精神力の強さが苦しい戦いをモノにしている。
それを体現しているのがエース・雪山幹太だ。ここまで全5試合に先発して、しっかりとゲームメイクしている。135キロ前後の速球、カーブ、スライダー、チェンジアップを巧みに投げ分ける右投手で、試合を重ねるごとに安定感が増している。和泉実監督はレギュラーになる選手は「調子の波が少なく、いつでも力を発揮できる選手」だという。それを発揮するには、精神力の強さが問われる。雪山はかなりの精神力の強さを持った選手。また安定感あるフォームで体への負担も少ない。野村のリードも冴えわたり、強打の東海大菅生打線に対しても最少失点が期待できそうだ。
打線は清宮の前後を打つ2番、4番、5番の存在がとても重要だ。またチャンスメイクする8,9番が機能すれば、東海大菅生投手陣にプレッシャーをかけることができるはずだ。
一方、東海大菅生。野球選手としての能力は西東京どころか東京でもナンバーワンのチームだといえる。ただ本塁打を打つ能力ではない。走塁、打撃、守備などすべてにおいての能力が高いのだ。東海大菅生の強みはなんといっても投手力。5人の投手陣がいるように、試合状況によって継投できる。まず先発を誰に投げさせるのか?日大三戦で好投を見せた松本健吾か、それ以外の投手となるのか、注目が集まる。また清宮に対しては初球から凡打を打たせる配球ができるか?また清宮はローボールヒッター。低めをフルスイングさせるような配球は危険。高めのボールで打たせて取る配球ができれば、理想だろう。
打線は、奥村治、小玉佳吾、松井惇、3番・佐藤弘教など強打者揃い。準決勝では4本塁打。ただ早稲田実業バッテリーの巧みな攻めからは長打を期待するのは難しそう。できることは1つ。雪山の攻めるボールをなくす攻めができるか。雪山がここまで好投できたのは、常に自分優位のピッチングができたことに尽きる。雪山が受け身に回った時点で東海大菅生はチャンス。ファール打ち、盗塁などいろいろなことからプレッシャーを与え続け、後半で突き放す攻撃ができれば理想ではないだろうか。
お互い野球頭脳が高い選手が揃っており、試合序盤からレベルの高い駆け引きが期待したい。
(文・構成:河嶋 宗一)