Interview

徳島の地に踏み出したロマンあふれる大型右腕 森祐樹(徳島インディゴソックス)

2019.03.28

 徳島インディゴソックスは近年、好投手を輩出し続けてきた流れがある。2016年には福永春吾(阪神タイガース6位)、2017年には伊藤翔(西武ライオンズ3位)に大藏彰人(中日ドラゴンズ育成1位)、そして昨年2018年には鎌田光津希がドラフトで指名を受けるなど、投手の育成には定評のあるチームとなった。

 そんな徳島インディゴソックスに今年、大きな可能性を秘めた右腕が入団した。その投手が森祐樹だ。身長188センチ体重90キロと、ロマン溢れる体格を有する森は、好投手を輩出し続けるこの流れに乗ろうと大きな意気込みを見せている。
 今回は、そんな森の素顔と目指す未来に迫っていく。

球速アップを求めて徳島インディゴソックスへ

徳島の地に踏み出したロマンあふれる大型右腕 森祐樹(徳島インディゴソックス) | 高校野球ドットコム
 笑顔の森祐樹(徳島インディゴソックス)

 福岡県出身の森は、これまで有明、日本経済大学のキャリアを歩んできた。特に日本経済大学時代には、下級生時からリーグ戦での実績を積み、3年の秋には5勝を挙げて敢闘賞とベストナインを獲得する活躍を見せた。

 大学卒業後の進路を決める際、プロ野球選手になることを諦めきれなかった森は、徳島インディゴソックスへの入団を決める。森は徳島インディゴソックスを選んだ理由を、次のように語る。

 「自分の中では、今の速球はまだまだ物足りなくと感じています。徳島インディゴソックスの選手は、入団後に球速がどんどん上がっていることを聞いてここに来ました。球速はここからですね」

 現在の森の最速は145キロ。身長190センチ体重93キロの、屈強な体格がある中でのこの球速はまだまだ物足りないと感じており、球速アップを現在の最優先事項に掲げて練習に取り組んでいる。

 「この前、竹内(裕太)さんの隣で投げさせてもらったんですけど、ちょっと自分とは全然違うな思いました。竹内さんは剛腕タイプの投手ですが、ここに来たからには自分もそこを目指していきたいなと思います」

 そのために森が今力を入れているのが、トレーニングと日頃の生活だ。
 徳島インディゴソックスでは、トレーナーによるトレーニングプログラムが組まれており、そのプログラムがこれまで多くの選手の球速アップを生み出してきたのだ。

 また、そのトレーニングの効果を最大限に生かすために、日頃の生活にも手を抜くことはない。
 「トレーニングはみんなやるので、差がつくとしたら栄養だったり、日頃の私生活は他のの選手よりは大事にしていると思います。しっかりとした栄養や、睡眠も8時間以上は取るようにしてトレーニングしたものを体に還元できるように意識して生活しています」

徳島の地に踏み出したロマンあふれる大型右腕 森祐樹(徳島インディゴソックス) | 高校野球ドットコム

[page_break:「考えれる」ことが「考えすぎる」ことに繋がる課題も]

「考えれる」ことが「考えすぎる」ことに繋がる課題も

徳島の地に踏み出したロマンあふれる大型右腕 森祐樹(徳島インディゴソックス) | 高校野球ドットコム
投球練習をする森祐樹(徳島インディゴソックス)

 そんな森が目指す理想はとても高い。目標とする投手像を尋ねると、森は日本を代表する大投手の名前を挙げて、大きな理想を口にした。

 「ダルビッシュ有投手や大谷翔平投手のように、相手がどうこうではなく、自分で相手を支配できるピッチャーになりたいと思います。
 イメージは剛腕かつ変化球も投げれる投手で、ダルビッシュ投手なんかはそんなピッチャーだと思います。なので、そういう投手を目指したいと思います」

 今シーズンから徳島インディゴソックスの監督を務める牧野塁監督も、大きな期待を口にする。大きなポテンシャルを感じる体格はもちろんのことだが、それ以上に牧野監督が評価したのは、「考えながら練習」が出来るところだ。

 「よく自分で考えて、ピッチングしています。何も考えずに投げるのではなく、よく考えて投げているいるなと思います」

 だがその一方で、「考えれる」ことがマイナスに働く面も見えてきたと牧野監督は語る。よく考えながら練習ができることで、それが「考えすぎること」にもつながり、試合の中で悪い方向に出ないようにアプローチしていきたいと牧野監督話す。

 「考えられると同時に考えすぎてしまうことも感じるので、メンタル面で切り替えをうまくできるか。そこが大事かなと思いますね」

 それでも、森には大きな可能性が秘められてることに変わりはない。森が課題の一つ一つをクリアした時、徳島インディゴソックスからまた一人NPBの舞台へ好投手が踏み出すことになるだろう。森の成長に目が離せない。

文=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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