龍谷大平安vs南陽
松田の一発などで龍谷大平安がコールド勝ち
先制本塁打を放つ松田憲之朗(龍谷大平安)
龍谷大平安が南陽を投打で圧倒。8回コールドで8強進出を決め、夏のシード権を獲得した。
先にチャンスを作ったのは南陽。龍谷大平安先発の小寺 智也(3年)から1回表に1番の辻 渉吾(3年)が初球をセンター前に弾き返して出塁すると、続く伊藤 浩平(3年)がきっちりと犠打を決め、一死二塁と得点圏に走者を進める。しかし、小寺はこのピンチを一塁ゴロと空振で乗り切り、南陽に先制点を与えない。
先制したのは龍谷大平安だった。2回裏に主将で4番の松田 憲之朗(3年)が初球のカーブを叩き、レフトスタンドへと突き刺さる高校通算50本目の本塁打で1点を先制。「上がり方がよかった」と本人も満足の打撃だった。
3回にも2死から松田が三塁線を破る二塁打で出塁すると、続く5番の田島 光祐(3年)が右翼前適時打を放ち、追加点を挙げる。3回までに2点を失った南陽先発の寺田 宗立(2年)だが、打たせて取る投球で4回、5回を無失点に抑えて味方の反撃を待つ。
追加点が欲しい龍谷大平安は6回に一死三塁から7番・馬場 友翔(3年)が中前適時打を放ち、1点を追加。7回にも無死三塁から2番・森川太賀(3年)の中前適時打で1点を加え、着々とリードを広げていく。
初回のピンチを凌いだ小寺は2回以降に本来の投球を見せる。力のある直球とキレのあるスライダーを織り交ぜて、2回以降は南陽に出塁すら許さない。
一気に試合を決めた龍谷大平安は一死二塁から途中出場の南 利玖(3年)が左中間に適時二塁打を放ち1点を追加。その後もこの回から登板した小西 大貴(2年)を攻め、一死満塁で松田を打席に迎える。ここで松田はきっちりとレフト前に運び、二者が生還。7点差となり、コールドゲームで試合終了。龍谷大平安が8強進出を決めた。
夏のシード権を獲得した龍谷大平安。甲子園通算100勝がかかっている夏の第100回大会について原田英彦監督は「命を懸けるくらいの気持ちでやっている」と並々ならぬ闘志を燃やしている。1安打完封に抑えた小寺も「甲子園100勝はしたいというよりもします。夏は甲子園に必ず行かないといけない」と決意の言葉を口にした。
これまでに幾多の栄光を甲子園に刻んできた龍谷大平安。夏の甲子園でその姿を見ることができるだろうか。
(文・写真=馬場遼)