試合レポート

明徳義塾vs帝京第五

2017.05.05

明徳義塾2年生右腕・市川 悠太の「進化」

明徳義塾vs帝京第五 | 高校野球ドットコム
市川 悠太(明徳義塾)

 1回戦では英明を9対4で破った帝京第五と、同じく1回戦では鳴門渦潮を4対0を下した明徳義塾との準決勝。2対11で明徳義塾が大勝した昨秋四国大会決勝戦、9対0で帝京第五が快勝したセンバツ直後の練習試合に続く今シーズン3度目の対戦である。

 明徳義塾の先発は強打・鳴門渦潮打線を4安打完封した北本 佑斗(3年・左投左打・170センチ68キロ・大阪泉北ボーイズ<大阪>出身)ではなく、背番号「11」の市川 悠太(2年・右投右打・183センチ70キロ・高知市立潮江中出身)。実はこの日、市川は最速141キロのストレートと、センバツ前・浦和学院(埼玉)との練習試合で12奪三振を原動力となった宝刀スライダーの他に「新球」を隠し持っていた。

 それは「(完投勝利の)四国大会順位決定戦の高知戦を終えてから、速い変化球が必要だと感じて1週間前から投げ投げ始めた」(市川)カットボールであった。結果、5回まではストレートを中心とする中、時折交えたカットボールで15アウトのうち9つを内野ゴロで仕留めた。「単調なタイミングになって打たれた」(馬淵 史郎監督)6回表の配球には課題が残るが、北本に続く2本柱と一角となったことは間違いない。

 一方、帝京第五は6回表に4安打を集中させ一時は3対1と逆転。最終回にも右翼手失策を絡めて2点を奪い計5得点と「打線では収穫があった」(小林 昭則監督)。一方、先発の佐藤 蒼介(3年・右投左打・170センチ67キロ・B.B.凌駕<ヤングリーグ>出身)は、チェンジアップ系の動くボールを駆使し5回まで1失点も、スタミナが切れたラスト3イニングは7失点。英明戦で11安打を浴びながら4失点完投した髙橋 謙信(2年・右投右打・173センチ71キロ・B.B.凌駕<ヤングリーグ>出身)に続く、「3枚目」不足が露呈した格好だった。

(取材・写真=寺下 友徳

明徳義塾vs帝京第五 | 高校野球ドットコム
注目記事
2017年度 春季高校野球大会特集

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.05.22

【秋田】明桜と横手清陵がコールド勝ちで4強入り<春季大会>

2024.05.22

【愛知・全三河大会】昨秋東海大会出場もノーシードの豊橋中央が決勝進出、147キロ右腕・内山など投手陣に手応え!名指導者率いる三好も期待の 1、2年生が出場

2024.05.23

春季関東大会でデビューしたスーパー1年生一覧!名将絶賛の専大松戸の強打者、侍ジャパンU-15代表右腕など14人がベンチ入り!

2024.05.22

【福島】学法石川と聖光学院が4強入り、準決勝で激突<春季県大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.04.23

床反力を理解しよう【セルフコンディションニングお役立ち情報】

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?