試合レポート

【春季神奈川県大会】198センチ左腕・藤田琉生(東海大相模)、昨秋からの成長を実感させる6安打完封勝利!

2024.04.21


藤田 琉生(東海大相模)

<春季神奈川県大会 東海大相模1-0桐蔭学園>◇20日◇4回戦◇相模原

【トーナメント表】春季神奈川県大会 結果一覧

この春から東海大相模のエースを任される藤田 琉生投手(3年)。198センチ93キロの超大型左腕で、昨秋は142キロを計測。最大の武器はこの長身を生かした角度のあるストレート。変化球の精度も高く、順調にレベルアップしていた。課題だったのはスタミナだけだった。

それを痛感したのは昨秋の県大会準決勝の横浜戦だった。9回裏、同点の場面で登板した藤田は9回裏を抑えたが、10回表、打者として満塁のチャンスから走者一掃の適時二塁打を放った。4点リードで、10回裏のマウンドに登ったが、守りきれず、5失点。サヨナラ負けを喫した。この試合後の取材で藤田は「この試合は今まで以上に緊張感があり、1イニング投げただけでも相当な疲労感がありました。そして二塁打を打って、結構バテていたと思います。しっかりと投げきる体力をつけたいと思います」と悔しさをこらえながら課題を語っていた。

この冬は下半身強化を徹底的に行い、食事、睡眠にも気を配った。
「走り込みはかなりやってきましたし、ウエイトトレーニングも目一杯やってきました。食事は夜に白ご飯をたくさん食べることですが、食べたあとはすぐに寝て、睡眠時間を確保しました。練習量が多く、エネルギー消費が激しいので、しっかりと食べて寝ないとなかなか体が大きくなりません。食べて寝ることは大事にしました」

昨秋は80キロ後半に推移していたが、この春で93キロ。ガッシリした体型へと成長していた。今年からランナーがいない時のみ二段モーションOKのルールへ改正されたこともプラスに働いた。
「以前から二段モーションは自分にあっている感じがあったのですが、禁止の時は無理やり大きく足を上げるフォームにしていて、結構疲れていました。二段モーションにしたことで、体重が乗りやすく、並進運動も速くなったことで、あまり力を入れなくても強いストレートを投げることができました。長いイニングを投げても疲れにくくなりました」

この日は常時135キロ前後だったが、9回にも最速139キロをマーク。終盤になっても球威は衰えなかった。スライダー、カーブ、チェンジアップを巧みに投げ分け、6安打完封勝利。この試合では3併殺に打ち取り、要所で締めることができていた。
「初めて背番号1をもらって、桐蔭学園戦の先発も数日前に告げられて、かなり緊張していました。練習試合で完封したことはあるのですが、やはり公式戦の完封は嬉しいです」と喜んだ。

原俊介監督は「1対0という我慢の試合展開で、完封できたのは大きいですし、これを自信に変えてもらいたい。ピンチの時に顔色変えずに投げていたのも良かったです」
エースの成長を称えた。表情を変えずに投げることは、原監督から指摘されていた。
「練習の時から表情が良くないといわれていて、ずっと意識していたことでした」
ピンチの時は投げ急がず、野手に声をかけたりしている姿を見ると、周りが見えているように感じる。またピンチを切り抜けると、ベンチにいる仲間とともにハイタッチを交わす。淡々と投げているイメージが強かったが、気持ちを持って投げるようになった。

次の相手は強豪・桐光学園。高校通算37本塁打のスラッガー・森 駿太内野手(3年)を中心に強打者が揃う。
「強い相手が続くと思うので、自分らしさを出していきたい」と意気込んだ藤田。さらに評価を高める快投を見せることはできるか。

【トーナメント表】春季神奈川県大会 結果一覧

<関連記事はこちら>
【春季神奈川大会】東海大相模の198センチ左腕・藤田 琉生が公式戦初完封!
【春季神奈川県大会】昨秋関東大会ベスト8の桐光学園の打線がレベルアップ!7番打者が3安打1本塁打2打点の活躍!
【一覧】春季神奈川県大会出場校
【一覧】神奈川県大会 日程

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.18

【長崎】長崎西、島原中央などが初戦を突破<NHK杯地区予選>

2024.05.18

【春季関東大会】鹿島学園が逆転勝利!左腕コンビのリリーフで樹徳との接戦を制する!

2024.05.17

【春季関東大会注目野手一覧】超高校級のショートトリオ、健大高崎の強肩捕手など24人の逸材野手をピックアップ!

2024.05.18

国民的人気だった韓国の高校野球はなぜ凋落したのか? “韓国の甲子園球場”の撤去、少数エリート制度の弊害……【韓国高校野球事情③】

2024.05.17

【関東大会注目チーム紹介】13年ぶりの春季埼玉王者・花咲徳栄打線は超強力!ドラフト上位候補スラッガー・石塚を中心に県大会58得点!

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?