試合レポート

【春季埼玉県大会】吉田ツインズとロングリリーフ水村が躍動!松山が乱打戦を制し県大会へ!

2024.04.19


水村 蔵ノ介(松山)

<春季埼玉県高校野球大会地区予選:松山11-9本庄第一>◇14日◇北部代表決定戦◇熊谷公園

【トーナメント表】春季埼玉県大会 結果一覧

熊谷公園球場(略称ハレスタ熊谷)の第2試合は、松山vs本庄第一という北部の強豪同士の一戦。

先発は松山栗原 禅投手(3年)、本庄第一・鶴見 僚将投手(3年)と両エース左腕が登板し試合が始まる。

試合は初回から激しく動く。

1回、松山は2番・水村 蔵ノ介内野手(3年)が左翼への二塁打を放ち出塁すると、続く渡辺 大翔(2年)のところで二走・水村が三盗を試みる。これが捕手の悪送球を誘い、幸先良く1点を先制する。

本庄第一はその裏、先頭の加賀崎 英将(2年)が右翼線へ二塁打を放ち出塁すると、続く倉嶋 奏太朗(3年)がきっちりと送り、1死三塁とする。ここで3番・藤川 修史(2年)が左前へポトリと落ちる適時打を放ちまず1点、続く青山 和樹(2年)のところで、本庄第一ベンチはエンドランを仕掛けると、これが二塁への内野安打となり1死一、二塁。2死後、6番・中田 優雅(3年)が中前適時打を放ち2対1と逆転する。

ここで松山ベンチは早くも動く。先発の栗原を諦め、2番手に遊撃手の水村がマウンドに上がる。

だが、本庄第一の勢いは止まらず、松山・水村の代わり端を攻め、7番・宮島 幸人(3年)が左前適時打を放つなど本庄第一はこの回3点を奪う。

2回以降は、ややゲームが落ち着く。

松山は4回、2死から4番・奥田 瑛道(3年)が死球で出塁すると、続く赤川 陽優(2年)のところで二盗を試みる。これが捕手の悪送球を誘い三塁へと進む。ここで赤川が中前適時打を放ち1点差とする。

迎えた5回、3巡目を迎えるところで松山打線が本庄第一・鶴見を捉える。

この回先頭の吉田 兼梧(1年)が左前安打を放ち出塁すると、続く吉田 翔棋(1年)がきっちりと送り1死二塁とする。ここで1番・志賀 柊汰(3年)がセーフティーバントを決め、1死一、三塁とチャンスを広げると、続く水村がセーフティースクイズを決め同点、さらに3番・渡辺が左前適時打を放ち4対3と逆転に成功する。

本庄第一ベンチはここでエース鶴見を諦め、2番手に右サイドの米田 爽真投手(2年)をマウンドへ送る。

だが、松山は攻撃の手を緩めず、本庄第一・米田の代わり端を攻め、4番・奥田が死球で出塁し1死満塁とチャンスを広げると、続く赤川が中前適時打を放つと、さらにセンターの返球が悪送球となり6対3、続く栗原も適時内野安打を放つなど、結局、この回一挙5点を奪うビッグイニングを作り7対3とする。

このままでは終われない本庄第一は6回、5回以降ややボール先行になり始めた松山・水村に対し、この回先頭の阿部 亜蓮(2年)が中前へポトリと落ちるヒットを放ち出塁すると、1死後、7番・宮島のところで本庄第一ベンチはエンドランを仕掛ける。宮島は期待に応え右前安打を放つが、一走・阿部は途中躓いた影響で三塁憤死する。それでも続く米田が左翼へ適時二塁打を放って1点を返す。

本庄第一は7回にもこの回先頭の加賀崎が中前安打を放ち出塁すると、続く倉嶋がきっちりと送り1死二塁とする。2死後4番・青山の一ゴロがタイムリーエラーとなり7対5とする。さらに本庄第一は4番・青山に代走・小澤 健二郎(2年)を出しすぐに二盗を仕掛けたが、吉田翔捕手に刺されてしまう。

粘る本庄第一を振り切りたい松山は8回、この回先頭の吉田兼が中前安打を放ち出塁すると、続く吉田翔がきっちりと送り1死二塁とする。ここで1番・志賀が左前安打を放ち1死一、三塁とチャンスを広げると、続く水村がセーフティースクイズを決めまず1点、さらに3番・渡辺も中前適時打を放ち9対5とする。

だが、本庄第一もその裏、1死から6番・中田が死球で出塁すると、続く脇田 蒼大(2年)のところで本庄第一ベンチはエンドランを仕掛ける。脇田は期待に応え左中間へ適時三塁打を放ちまず1点、続く代打・西方 航大(2年)の内野ゴロでさらに1点を加え再び2点差とする。

最終回松山は、この回からマウンドに上がり制球に苦しむ本庄第一の3番手・左腕の金澤 樟也(3年)の代わり端を攻め、1死から5番・赤川が四球を選び出塁すると、続く栗原が左前安打を放ち1死一、二塁とする。さらに7番・田中 優希(3年)も四球を選び1死満塁とチャンスを広げる。

本庄第一はたまらず4番手にアンダーハンドの染野 謙心投手(3年)をマウンドに送るが、松山は2死後、9番・吉田翔の押し出し死球と続く志賀の押し出し四球で11対7とする。

それでも本庄第一はその裏、代打攻勢に出る。1死から代打・向田 琥大(3年)が中前安打を放ち出塁すると、2死後、代打・長谷川 翔生(3年)も中前安打を放ち2死一、二塁とする。ここで続く阿部が三塁線を破る適時二塁打を放ちまず1点、6番・中田の一塁へのハーフライナーを一塁手が取れず適時打となるなど、2点を返すが後続が倒れ万事休す。

結局、松山が11対9で粘る本庄第一を振り切り、県大会出場を決めた。

本庄第一の田中監督は「5回の5失点が大きかった。初回に逆転したが4点目を取れず1点を返されバタついた。鶴見は悪くはなかったんですがキャッチャーが。メンバーは秋以降2年生が増え内野は入れ替わっている。守りをやり直さないと。後は秋1番をつけていた森下などが戻ってくれば」と、夏までに守備の整備が必須だが、2年生が多いチームだけに伸び代も多く勢いに乗れば面白い存在となるであろう。

一方の松山の天野監督は「水村がよく投げてくれた。水村は誰よりも早くグラウンドに出てくる選手なので信頼がある。栗原は県大会までにもう1回作り直していきたい。相手の投手はイメージしていたよりもスライダーがキレていた。赤川がよく頑張ってくれて大事な場面で一本打ってくれて流れに繋がった。彼ら(吉田ツインズ)は軟式の出身なんですが、春先,ケガ人が多すぎて4月の練習試合で使ってみたら力があるのでレギュラーで使っている。1年春からスタメンで出るのは金子章太郎や清水以来。苦しい試合を物にできたので。県大会へまずは捕れる球をきっちり捕ること」と振り返った。この日は1回途中から最後まで投げ切った水村や2年生の赤川、そして吉田ツインズの存在が大きい。遊撃が守れ1年生ながら鋭い打球を飛ばす吉田兼と既に違和感なく正捕手の座に収まる吉田翔。捕逸もなく落ち着いたリードを見せていた。県大会で彼らがどこまで伸びるのか今から楽しみだ。

【トーナメント表】春季埼玉県大会 結果一覧

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この記事の執筆者: 南 英博

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