試合レポート

【JABA四国大会】王子とJR西日本が初の決勝戦へ!

2024.04.09


先制2ランを放ったJR西日本・土居 拓海内野手(広島新庄)

4月3日に開幕したJABA四国大会。16チームが参加し、しのぎを削った四国地区社会人野球最大の祭典は、4チームずつ4グループに分かれた予選リーグでNTT西日本、東芝といった都市対抗野球優勝経験を持つ名門チームが軒並み敗退するという波乱の展開に。4日間を終え、迎えた準決勝では、第1試合でミキハウスと王子、第2試合でJR西日本とJR四国が激突した。

 

第1試合では、昨年巨人のスカウトを務めドラフト4位指名の泉口 友汰大阪桐蔭青山学院大NTT西日本)を担当した桜井 俊貴投手(北須磨立命館大-巨人)が中3日で今大会2度目の先発マウンドへ。「都市対抗予選を見たり、スカウト活動を通して外から野球を見たりする中で、もう一度そこで得たものをプレーで表現したいと思った」と、30歳にして今季からミキハウスで現役復帰。結果は5回3失点に終わったものの、最速146キロを出したストレートと130キロ前半のカットボール、フォークを駆使し2015年ドラフト1位・NPB一軍通算110試合登板の一端を示した。

 

試合は3年目のを迎えた王子の左腕・宮崎 隼輔(東海大仰星-関西大学)を打ちあぐんでいたミキハウスが最終回に2点を追いつきタイブレークに持ち込むも、10回表に王子の3年目・山口 乃義内野手(天理–立命館大学)の中越二塁打などで一挙4得点。大会初の決勝進出を決める共に、2大会ぶり15度目の社会人野球日本選手権獲得に王手をかけている。

 

第2試合で注目を集めたのは国鉄四国時代の第5回大会以来、49年ぶり2度目の大会優勝を狙う2年目のJR四国・近藤 壱来投手(鳴門渦潮–三菱自動車倉敷オーシャンズ–香川オリーブガイナーズ)。2度目の社会人野球に身を投じた昨年は都市対抗で東京ガス、日本選手権でJR東海、パナソニックを下す原動力となった。最速152キロ右腕は「疲れは関係ない」とエースの決意をもって中1日で先発マウンドに上がったが、JR西日本打線が初回に136キロカットボールを豪快に左中間へ運び、先制2ランとした5年目の4番・土居 拓海内野手(広島新庄)をはじめ、各打者が鋭いスイングで近藤を攻略。

 

投手陣も最速144キロのストレートと130キロ台のカットボール、チェンジアップ、フォークを低めに集めた3年目左腕・花村 凌投手(神戸国際大附大阪商業大)が6回無失点好投で8対0。7回コールド勝ちで王子と同じく初の決勝進出。2大会ぶり9回目の社会人野球日本選手権出場権獲得へあと1勝と迫っている。

 

なお、当初準決勝第2試合後に開催される予定だった王子vsJR西日本の決勝戦は雨天によるグラウンドコンディション不良のため4月9日13時から仕切り直しとなることに。お互い初優勝をかけた頂上決戦に期待したい。

この記事の執筆者: 寺下 友徳

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