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明豊のサヨナラを呼び込んだ木村留偉の快足! ”飛ばないバット”でロースコアが続く中、重要さを増す機動力

2024.03.20


※写真はイメージ

第96回選抜高校野球大会第2日、第2試合は、明豊(大分)が敦賀気比(福井)に1対0でサヨナラ勝ちを収めた。0対0で迎えた9回に、2死一、二塁から、石田 智能捕手(3年)が右前打を放って初戦突破を決めたが、勝利を決めたホームに入った二塁走者の足に目が行った。

明豊の二塁走者は木村 留偉外野手(3年)だった。9回1死から中前安打で出塁し、二塁に進んでいたが、その俊足には恐れ入った。9回サヨナラの場面、敦賀気比の外野陣は通常のポジションより前にきていた。二塁走者が本塁にかえるのは難しいと思える状況だった。サヨナラが決まる場面でもあり、2死でもあることから本塁突入はセオリーではあるが、そのなかでもセーフにしてみせた。

敦賀気比の右翼手、野道 諒彌外野手(3年)の本塁送球も、やや右にそれたものの、決して悪くなかった。球審が両手を広げサヨナラ負けが決まった時、野道はしばらく動けなかった。

木村は7回の第4打席でも俊足を披露していた。左中間へのライナー性の打球で一気に二塁を陥れた。打球を処理した中堅手も素早く打球を処理し、二塁へ送球したが間に合わなかった。

木村の俊足がなければ、明豊のサヨナラ勝ちもなかったかもしれない。

今センバツから飛ばない新基準のバットが使用されている。開幕から2日がたち、やはりロースコアのゲームが目立つ。今後もやはり、足を使った攻撃ができるチームが勝ち上がっていくのではないか。俊足の選手がいるだけでなく、それを生かす走塁の意識の高さもないと意味がない。

決して派手さはないが、高校野球で勝利するために、「足」の重要性がますます高まることは間違いない。

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この記事の執筆者: 浦田 由紀夫

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